連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

銀の馬車道 鉱石の道

  • 印刷
「鉱石の道」の魅力を解説する前畑温子さん=姫路市西延末、市文化センター
拡大
「鉱石の道」の魅力を解説する前畑温子さん=姫路市西延末、市文化センター

 地域の歴史を深掘りする播磨学特別講座「日本遺産と播磨」(神戸新聞社後援)の第3講が18日、兵庫県姫路市西延末の市文化センターであった。産業遺産写真家の前畑温子さん(35)=神戸市兵庫区=が「鉱石の道-産業遺産とその魅力」と題し、明延(あけのべ)鉱山など同県養父、朝来市に残る遺構の特長を解説した。要旨は次の通り。

 産業遺産とは、人の営みに不可欠な生産活動を行っていた歴史的、社会的価値のある場所や施設のこと。生野、神子畑(みこばた)、明延の3鉱山に、中瀬を加えた「鉱石の道」もその一つ。鉱山の機能を学べる一連の遺構がそろっている。

 明延は、探検坑道にトロッコのレールがあり、水がポタポタ落ちてくるなど、閉山当時のまま保たれており、観光地化されていないのがいい。複数のフロアが公開され、分かれ道の先に何があるのか、わくわくしてくる。かつての社宅や映画館、浴場などの施設が残る街並みもすてきだ。

 高低差75メートルの迫力と、コンクリートが周囲の緑に映える神子畑の選鉱場に、角度によって光り方が変わる生野市街地のカラミ石。思わず見に行きたくなるような、他にはない強みが鉱石の道にはある。

 地域の人の温かさも魅力だ。廃虚マニアだった私が、産業遺産を見学、記録するNPO法人を設立したのも、明延のガイドから「マニアのせいで壊される遺構もある」と教えられたことがきっかけ。まず現地を訪れ、地域を歩き、そして地元の人と話をしてほしい。(まとめ・小川 晶)

2019/5/19
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 34℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ