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銀の馬車道 鉱石の道

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■神河町吉富

 兵庫県神河町吉冨畑川原は、現存する生野鉱山寮馬車道と推定され、当時の面影を感じることができる唯一の場所です。生野から姫路港までの49キロの大部分がアスファルト道路に造りかえられましたが、ここは土道のままで、今も生活道路として利用され「馬車道」でつながれた地域の豊かな自然と歴史や文化が育まれています。

 生野鉱山から荷物を運んだ馬車は生野峠を登り、神河町に入り、農村公園ヨーデルの森(同町猪篠)の敷地内を通り、但馬街道や旧国道、現在の国道312号と重なりながら南下したと考えられ、部分的には、痕跡をうかがい知ることができます。

 生野鉱山寮馬車道はフランス人技師シスレーが技師長となり1876(明治9)年に完成しました。砕石と土砂によって路体と舗装を構築する「マカダム式舗装」で築かれたといわれていますが、詳細について明らかになっていないこともあります。

 神河町では、町内で生野銀山寮馬車道と推定されている場所を調査し、文化財としての保護・保存・活用そして未来への継承に努めています。

 (神河町教育委員会教育課学芸員 竹国よしみ)

   ◇

 姫路市、神河町、市川町、福崎町は但馬地域と共同で「日本遺産」への申請を目指しています。物語を構成する遺産を各市町の文化財担当者に順次、紹介していただきます。

【メモ】江戸時代には但馬街道、明治には生野鉱山寮馬車道、昭和40年ごろにはバスなどが通り、人や物の往来でにぎわった。その後、現在の国道312号に付け替えられた。

【アクセス】神姫グリーンバス野上バス停下車徒歩5分。国道312号大黒茶屋の看板が目印、看板南東の池周辺が畑川原。

2016/10/29
 

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