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銀の馬車道 鉱石の道

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 文化庁は本年度の日本遺産に、全国で17件を認定したと発表した。2015年に創設され、認定数は計54件となった。

 兵庫県内では但馬と播磨の3市3町が申請した「銀の馬車道 鉱石の道」と、篠山市が焼き物の産地を抱える県外の市とともに出した「日本六古窯(ろっこよう)」が認定された。東北や北陸などの自治体が申請した「北前船寄港地」は、但馬、播磨、淡路などにもゆかりが深い。

 銀の馬車道は、前回は落選したが、仕切り直して再挑戦し、念願の日本遺産となった。喜びはひとしおだろう。

 しかし文化庁の宮田亮平長官が「ゴールではない」と指摘しているように、認定はあくまでスタートであることを各地域の関係者は忘れないでほしい。

 訪れた人に満足してもらうための工夫やアピールの方法を練ることが大切だ。

 日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色について、ストーリー性を重視して文化・伝統をアピールし、観光客を増やしてまちの活性化を図るのが狙いだ。国は、外国人旅行者を4千万人に増やすための中核と位置付け、20年までに100件を目指す。

 人口流出に苦しむ地域にとっては、認定で交流人口を増やして活性化させたいという思いがある。また古里の宝にあらためて光が当たることは、住む人や出身者の誇りとなるだろう。

 県内ではすでに、篠山市の「デカンショ節」や淡路島の「国生みの島」が認定されている。

 先行する篠山市は、国の補助金を活用して体験施設「丹波篠山デカンショ館」を造った。淡路島では記念フォーラムを開催して発信の方法を考えた。

 訪問客の増加など、一定の効果が表れているところもある。肝要なのは、補助金が支給される5年程度の間に、独り立ちできる仕組みをつくることだ。

 海外からの観光客をどのように取り込み、リピーターになってもらうのかも重要だ。なによりも、こうした取り組みを地元で支えていく人材を育てていく必要がある。

 活性化は自治体だけが担うのではない。住民や企業なども一体になり、知恵を絞って汗をかき、持続可能な地域創生につなげたい。

2017/4/29
 

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