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銀の馬車道 鉱石の道

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神子畑鋳鉄橋の部品など馬車道ゆかりの資料が並ぶ=朝来市、生野書院
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神子畑鋳鉄橋の部品など馬車道ゆかりの資料が並ぶ=朝来市、生野書院
フランス人宿舎で使われていたランプ=朝来市、生野書院
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フランス人宿舎で使われていたランプ=朝来市、生野書院

 明治時代、兵庫県朝来市の神子畑鉱山と生野鉱山を結ぶ馬車道が整備されて今年で130年になるのを記念した企画展が、同市生野町口銀谷の生野書院で開かれている。道中にあった鋳鉄(ちゅうてつ)製の橋の部品や鉱山で使われたボイラーの設計図など約40点が並ぶ。12月6日まで。

 明治政府は1868(明治元)年、生野鉱山を官営とし、フランスから技師を招いて開発。周辺の探鉱の結果、神子畑で鉱脈が見つかり、採掘した鉱石を生野鉱山で精練しようと、85年に総延長約16キロの馬車道を整備した。その約10年前に完成した生野~飾磨港(姫路市)の「銀の馬車道」(総延長約48キロ)を参考に建造し、道はその後明延鉱山(養父市)まで延長された。生野、神子畑、明延の3つのエリアは「鉱石の道」と命名され、県や両市などでつくる推進協議会が観光振興の道を模索している。

 企画展では、神子畑鉱山が宮内庁御料局の管轄だった時代、道中に五つあった「鋳鉄橋」の一つに据えられた菊の紋章のほか、国の重要文化財、神子畑鋳鉄橋で昔使われたボルトなどを展示。開通当初の牛車や手引き車から馬車が用いられるようになり、その後、道にレールを敷いた馬車鉄道に切り替わるなど、鉱石運搬の変遷も紹介する。

 ボイラーや鉱石の粉砕器など生野鉱山で使われた機械の設計図、フランス人技師の肖像写真、フランス人宿舎にあった石油ランプなども。陶製のランプは姫路の東山焼とみられるという。

 午前9時半~午後4時半。無料。月曜休み(祝日の場合は火曜休み)。(長谷部崇)

2015/11/5
 

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