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銀の馬車道 鉱石の道

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 4月29日、史跡生野銀山(兵庫県朝来市生野町)で開かれた日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」の認定記念式に立ち会い、地元住民や播但6市町の関係者らと認定を喜んだ。

 日本遺産は文化庁の認定制度で、地域の文化財を観光資源として生かし、ストーリーに仕立て活性化につなげる試みだ。兵庫県関係では今年、丹波焼で知られる篠山市などによる「六古(ろっこ)窯(よう)」のほか、申請自治体は含まれていないが、県内各地に寄港地がある北前船をテーマにしたストーリーが認定された。県内ではすでに「国生み神話」(淡路3市)、「デカンショ節」(篠山市)が選ばれている。

 「播但貫く-」は、飾磨港(姫路市)から、日本初の産業用道路「銀の馬車道」をたどり、かつての宿場町を経て但馬地域の鉱山群に至るストーリー。神戸新聞社のパートナーセンター地域連携室が昨年秋から関係6市町、兵庫県と協力し、ストーリーと活性化計画づくり、情報発信などに取り組んだ。

 担当者として申請に関わり気付いたのは、身近な歴史遺産の存在が地元でも十分知られていないということだ。観光地としてはまだ発展途上だが、丹念に歩くと地域ならではの魅力がある。各地の文化財に光を当てながら、分かりやすい物語として地元で認知され、地域外に伝えることが求められる。

 日本遺産認定を機に、息の長い地域づくりにつなげたい。先進・類似事例も大切だが、「ここにしかないもの」は何だろうか。地域の人たちを巻き込む仕掛けはないだろうか。ヒト、モノ、カネ、情報が地域内で循環する仕組みにはどんな形があるのか、新たな問いが浮かんだ。

2017/5/14
 

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