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銀の馬車道 鉱石の道

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生野鉱山正門門柱
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生野鉱山正門門柱

■朝来市生野町小野

 生野鉱山を訪れて最初の入り口が、駐車場にある石造の門です。左右に大小2本の門柱が並び、正面には官営を示す菊の紋章が浮き彫りにされています。鉱石から金属を取り出す工場の正門として、1876(明治9)年に造られました。

 生野鉱山で進められた技術革新の一つに、「工場の造営」があります。現在の三菱マテリアル生野事業所と同じ場所に、鉱石を製錬する工場が整備されたのも同年のこと。落成式には、明治政府の責任者だった伊藤博文も列席しました。

 その後現在まで、工場は鉱山技術を生かして稼働を続け、この門柱も1977(昭和52)年に現在の場所へ移されるまで、時の流れを見続けました。

 凝灰岩を用いた風格のある門は、今も生野鉱山のシンボルとして見学に訪れる人を出迎えています。(朝来市教委文化財課参事 柏原正民)

   ◇

 朝来市と養父市は、中播磨地域と共同で「日本遺産」への申請を目指しています。物語を構成する遺産を各市町の文化財担当者に順次、紹介していただきます。

【メモ】朝来市指定文化財。高さは主柱が約4・6メートル、脇柱が約3・1メートル(台座部分を除く)。各部分がメートル単位と合致するため、尺貫法でなくメートル法で設計されたと考えられる。

【アクセス】「史跡・生野銀山」の駐車場入り口にある。JR播但線生野駅から「生野銀山口」行きバスで終点下車、徒歩10分。

2016/10/6
 

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