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銀の馬車道 鉱石の道

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地底からわき出るような冷気と湿気。鉱山観光の醍醐味(だいごみ)は坑道体験にある。不思議な「地下世界」で耳を澄ませば、往時のざわめきが聞こえてくるようだ◆佐渡金山、石見(いわみ)銀山、足尾銅山。アリの巣のように坑道が巡らされていたヤマの跡を歩く。随所に刻まれた繁栄と衰退の痕跡に感じ入る。日本の近代化を支えた鉱山が人気の観光スポットになっている◆なかでも採掘の様子を生々しく伝える点では、朝来市の生野銀山が最右翼ではないか。807年とされる銀産出から1973年の閉山まで、1200年近くに及ぶ歴史の重みだろう◆「生野は日本のマザーマイン(鉱山)だった」。住友史料館(京都)の末岡照啓副館長の評価は高い。殖産興業の時代、生糸と鉱石が主力輸出商品だった。生糸のモデル工場は先年世界文化遺産に指定された群馬の富岡製糸場、鉱山は生野銀山だったという◆明治元年に生野は日本初の官営鉱山となり、政府はお雇い外国人を招いて全国の経営者らに工法を伝えた。火薬やトロッコ、ダイナマイト…。先進の技術が各地に広がっていった◆但馬と播磨の6市町が施設や輸送路に光を当て、「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」と題して文化庁の日本遺産に申請している。結果の発表は来月。選鉱場(せんこうじょう)跡、鋳鉄橋(ちゅうてつきょう)、宿場町。活用に夢が膨らむ。2017・3・27

2017/3/27
 

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