
撮影・木皿泉
小さな子に、「オバチャン何歳やと思う?」と聞くと、「18さい」と言われた。たぶん、彼女の知っている数字の中で、18は途方もなく長いものだったのだろう。もちろん、私は18歳ではない。この4月で60歳になった。還暦である。
還暦は他の誕生日と比べると別格であるらしく、いろんな人からおめでとうと言ってもらった。若い頃は、老人に赤い物をあげるなんて趣味が悪いと思っていたが、今はオシャレな物がいっぱいあって、プレゼントの包みを開けるたびに「おおっ、こんなものまで赤いのがあるのか」と、そのセンスの良さに感嘆する。
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