
撮影・木皿泉
氷に魚をうめこんだスケート場に、客から苦情が殺到したそうである。かわいそうだとか、たまたま浅くうめられた魚が表面に飛び出て、少しずつ氷と一緒に削られてゆきそうで、それが残酷だ、などというのだ。遊泳する魚の上をスケートで滑ったらさぞかし楽しいだろうという発想でつくられたものなので、魚は泳ぐ姿で配置されている。そのせいか、生きたまま氷にうめられたように思えて、よけいに残酷に見えるらしい。
そんなことを言うと、日々その身を削られるかつお節などはどうなるんだと思う。活(い)け造りのお刺し身も残酷だと思うが、舟盛りが運ばれてくるとみんな盛り上がる。
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