UCCジャパン株式会社

代表取締役会長 上島 達司

水素焙煎で味覚多彩に

―コーヒー相場が急騰している。

 世界的な需要増や生産国での異常気象などの影響を受け、コーヒー生豆国際相場は過去最高値を更新し続け、いまだかつてない価格水準に達しています。このような環境下、安心安全でおいしいコーヒーを安定的にお届けできる、持続可能なコーヒー産業の実現に向け、コーヒーの新たな価値創造やサステナビリティー(持続可能性)に取り組んでいます。

―水素焙煎(ばいせん)コーヒーの量産が始まります。

 富士工場で水素を熱源とする大型焙煎機を稼働し、今月末から水素焙煎コーヒーを広くお届けできます。水素は燃焼時に二酸化炭素を排出せず、究極のクリーンエネルギーとも言われています。水素を熱源とした場合、火力の調整幅が既存熱源より広く、幅広い熱風温度での焙煎が可能で、水素でしか出せない味覚があることを確認しました。水素が持つ特性と温度コントロールや味覚形成に関するこれまで培ってきたノウハウを組み合わせ、不可能だった条件で豆を焙煎できるため、多彩な味覚形成が可能になり、よりおいしくすることに成功しました。

―2025年はどんな年に。

 関西で55年ぶりとなる万博が開催されます。前回の万博では、UCCが開発した世界初の缶コーヒーが話題となり、一躍全国区に。日本が世界から注目を集める年に水素焙煎コーヒーという新たなイノベーションをお届けできることをうれしく思います。秋にはトヨタ自動車が静岡県裾野市で建設を進める「Toyota Woven City」に参画し、コーヒーの潜在価値を実証する未来型カフェをオープン予定。これからもパーパス(存在意義)「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ」の下、新しいコーヒーの価値創造に挑戦します。

法人概要

UCCが開発した水素焙煎コーヒー
所在地〒650-8577 神戸市中央区港島中町7の7の7
TEL078・304・8888
創 業1933年
事業内容コーヒー関連事業、業務用サービス事業、外食事業、マシン事業、海外事業など
関連会社83社(24年12月現在)
ホームページhttps://www.ucc.co.jp/