株式会社大丸松坂屋百貨店

執行役員大丸神戸店長 松原 亜希子

環境変化生かし成長を

―阪神・淡路大震災から30年がたった。

 震災で本館が損壊し、約3カ月後に売り場を3分の1ほどに縮小して店を再開しました。お客さまの「大丸が再開することが、普通の暮らしに戻ること」という言葉が原動力となりました。また1997年3月、全面復興したリニューアルの際のテーマは「神戸のゲストハウス」でした。あらためて大丸神戸店の原点に立ち返り、店舗運営に当たっていきたいと、気持ちを新たにしています。

―足元の売り上げは好調だ。

 2023年3月に店長として着任して以来、「お客さまの心のファーストマインドストアであること」をビジョンに掲げてきました。あるべき姿に向けて、商品のみならず、人、サービス、環境においても「圧倒的な滞留時間品質の向上」を目指し挑戦を続けています。その結果、本年度は06年以来の年度売上高1千億円超を達成できる見込みです。しかし、この数字は通過点であり、成長を持続させるには社員が自身の意志を持ち、自分事として行動できる姿を目標に、店として風土改革を進めています。

―本年度、注力することは。

 この2年間、足元の商圏のみならず、神戸への来訪促進につながる広域戦略を進めてきました。今年は神戸空港やアリーナ開業、万博など外部環境の変化を生かし、さらなる成長を目指します。わざわざ街や店に来ていただける理由となる、さまざまなコンテンツを集める際には「神戸店(われわれ)ならでは」という言葉をキーワードの一つに掲げています。そういった目的地化に向けては、「旧居留地」の魅力向上が欠かせません。現在、行政や街の方々と連携してプロジェクトを進めています。現場から発想し、「皆さまの生活になくてはならないお店づくり」を実現させていきたいと考えています。

法人概要

「お客さまの心のファーストマインドストアである事」をスローガンに掲げる大丸神戸店
所在地〒135-0042 東京都江東区木場2の18の11
TEL050・1781・5000(大丸神戸店)
設 立2010年3月1日
事業内容百貨店業
資本金100億円
売上高6854億円(2024年2月期)
従業員数3923人(24年2月現在)
店 舗神戸、須磨、芦屋、京都、梅田、心斎橋、東京、札幌など
ホームページhttps://www.daimaru.co.jp/kobe/