佐藤精機株式会社

代表取締役社長 佐藤 慎介

最先端の技術者養成へ

―播磨地域から日本のものづくりをけん引しています。

 金属を工作機械で削り出す金属切削加工を手掛け、他社がやらないオーダーメードの製品に挑戦しています。近年では、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った物質(試料)を世界中の研究機関に運ぶステンレス製輸送容器を作り、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に納めました。ねじをミクロン単位で調整し、内部を真空状態に維持しながらも開けやすくした独自の構造が注目されました。以降、JAXAから継続的に受注が入り、米航空宇宙局(NASA)にも容器を納品しました。

―鳥取県が取り組む宇宙産業の創出に協力しています。

 鳥取では宇宙関連産業を地域の未来を担う新産業と位置づけ、鳥取砂丘を月面に見立てた実証フィールド「ルナテラス」を整備し、宇宙関連のベンチャー企業などを全国から誘致しています。当社にも要請があり昨年、現地にサテライトオフィスを開設しました。この4月からは主に宇宙産業向けの「ものづくりクラスター」が県主導で創設され、当社が全体のまとめ役として運営を任されることになりました。これまでの経験で得た知見を地域の製造業者に惜しみなく伝え、できる限りの支援ができたらと考えています。当初は5社ほどでスタートし、将来的には20社程度の集積を目指します。

―10月に創業70周年を迎えます。

 自動車産業の衰退に代表されるように、製造業は非常に厳しい状況にあります。戦後の復興から国内総生産(GDP)で世界2位になった頃は製造業の仕事に夢を持った人が多かった。そのマインドをもう一度喚起したいですね。播磨にこだわらず、地域や国境の壁を突破して、世界の最先端に通じるものづくりのエンジニアを養成していきたいと思います。

法人概要

「第68回宇宙科学技術連合講演会」に登壇した佐藤社長=2024年11月5日、アクリエひめじ
所在地〒671-1261 姫路市余部区下余部240の6
TEL079・274・1047
創 業1955年
事業内容産業機器全般および部品の制作・組み立て各種、工作機械による切削加工
資本金1800万円
従業員数42人(2025年3月末現在)
関連施設たつのテクニカルセンター(たつの市揖西町土師1の89)
サテライトオフィス「SAND BOX TOTTORI」(鳥取県鳥取市浜坂1390の224)
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