（３５）努力と学習は継続して

受験のココロ　高校入試編

　私が小学３年だった夏休み、帰省先への電車内で母が「塩酸というものがあって、何でも溶かしてしまうのよ」と言うのです。「え、何でも？　じゃあ鉄も？　手も？」。「もちろん」という答えに直感的な怖さを感じながらも、怪しげなその薬品に私は強く引かれました。

　母は続けます。「でも金とか白金は偉い金属だから塩酸には溶けない」と言い、「上には上がいるんだなぁ」と納得する私に、さらにたたみ掛ける母。「でもね、そんな金でも溶かしてしまう王水というものもあるのよ」。その能力にも名前にも驚嘆するばかりの私でした。王様の水。ちなみにこれは濃硝酸１に濃塩酸３の混合物です。

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