日々小論

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 西宮市の阪神電鉄今津駅で電車を待っていると、変わった広告に気付いた。「#そろそろ地元に愛されたい」。メッセージの背景に生き生きとプレーする選手たち。メッセージのそばには「大阪・兵庫」とある。

 広告を出したのはバレーボールVリーグ1部(V1)女子、JTマーヴェラス。駅から徒歩10分ほどの場所にある体育館を練習拠点にする。V1で優勝3度(V・プレミアリーグを含む)など、リーグ屈指の強豪だ。日本代表へも多くの人材を輩出し、8日に都内であった記者会見には、目黒優佳選手や田中瑞稀選手ら5人が参加した。

 そんな名門が、自虐的ともいえる広告で応援を呼びかけたのは、競技の人気低下と、チームの地元での存在感が薄いという危機感からだった。

 広報担当によると、バレーボールをテレビで見る機会が減り、試合の来場者数も減少している。小中学生を対象に教室を開くなど交流してきたものの、選手が西宮で練習していることはあまり知られていない。

 ならば、もっと「地元」をアピールして応援してもらおう。「ちょっと冒険した」という、メッセージを添えた取り組みは好評で、「西宮にチームがあるのを知り、うれしくなった」との声も寄せられたそうだ。

 新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和を受け、JTマーヴェラスは、西宮市とホームゲーム会場がある尼崎市に点在する、選手イチオシの店やスポットを紹介する地図付きのパンフレットを1万5千部制作し、阪神電鉄の駅で配っている。

 「素晴らしい」「すてきな」などを意味する英語「マーヴェラス」を名乗るチームの新たな挑戦を、地元兵庫のスポーツ好きとして応援しようと思う。

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