三田

  • 印刷
市の施策などをただす高校生=三田市役所
拡大
市の施策などをただす高校生=三田市役所
議場では、若者の政治参加など高校生たちがさまざまな質問をした=三田市役所
拡大
議場では、若者の政治参加など高校生たちがさまざまな質問をした=三田市役所

 兵庫県三田市内の高校生が「議員」になりきり、森哲男市長らに市政の提案や質問をする「高校生議会」が30日、市議会議場で開かれた。市議会一般質問を模した取り組みで、7校から14人が参加。生徒たちは市の発展やパートナーシップ宣誓制度、若者の政治参加などについてただした。(土井秀人)

 市政やまちづくりを身近に感じてもらおうと、選挙権年齢が18歳に引き下げられた2016年から市が毎年開催。新型コロナウイルス対策のため、一部の生徒はオンラインで参加した。

 質問の1番手は、ひまわり特別支援学校1年の中島美空(みく)さん。高等部卒業後、いろんな場所に行き、人と出会い、たくさんの経験をしたい、との思いを語った。「障害がある人らが安心して集まれる場所や、交流できる場所が増えることを願っている」と市の考えを尋ねた。

 森市長は「障害がある人が地域社会から孤立しないよう、合理的な配慮の下、必要とされる社会資源を確保する。ニーズや特性などに応じた適切な支援を提供できるよう、市や関係機関がより緊密な連携を図っていく」と答えた。事業者にも自らの意思で対応してもらえるよう、啓発活動に取り組むことも示した。

 生徒たちからは青少年のネットトラブルや平和教育、飲食店活性化などへの質問もあった。当日の様子は2月10日からユーチューブの市公式チャンネルで配信する。

    ◇

主な質問と答弁内容 (敬称略)

■空き家をオフィスに改装 (松本祐人・北摂三田高1年)

 私が暮らす地域には同世代の友達がいない。原因は農村部の過疎化や少子高齢化で、この状況を変えたい。活気あるまちにするためには、市の歳入を増やすことが重要。利用者が少ない市の施設や空き家、空き店舗をサテライトオフィスに改装してはどうか。

 副市長 空きスペースの活用については現在、古民家を改装し、店舗やシェアオフィスなどとして活用するための費用の補助や、空きテナントを活用して事業を開始する創業者への家賃補助を行っている。サテライトオフィス誘致についても、雇用の増加や定住促進、歳入確保などにメリットがあると考えている。誘致を進めるため、施設整備や補助金交付などについて検討を進める。

■投票所近くにイベント会場 (濱田颯太・三田学園高2年、松田颯汰・クラーク記念国際高三田キャンパス1年)

 未来を明るくするためには、若者の政治参加が必要だ。選挙の投票所の近くにイベント会場を設けてはどうか。アパレルやスイーツ、飲食店に出店してもらい、入場には投票済証を必要とすることで、若者などの投票率向上を狙う。選挙情報のビジュアル改革も提案する。内容が硬すぎて若者に伝わりづらい。デジタルネーティブである若者向けにデザインした特設サイトを作成してはどうか。

 

 行政委員会事務局長 投票所は利便性などを考慮して小中学校の体育館や地域の集会所に設置しており、投票所をイベント会場近くへ変更したり、新設したりするのは難しい。若者向けサイトの作成については、選挙情報は幅広い有権者に提供していく必要がある。このため、若者に限定したサイトを作成することは今後、調査研究していきたい。現在、選挙情報は選挙公報や啓発機関紙「めいすいだより」などで伝えているが、若者を含め多くの有権者が見やすくなるよう、イメージキャラクター「めいすいくん」などのイラストやデザインを活用しながら工夫したい。

■パートナーシップ宣誓制度 (篠崎心洋・三田祥雲館高2年)

 三田市では2019年にパートナーシップ宣誓制度を導入したが、当事者たちが得られる権利について十分とはいえない。例えば同性カップルの間で育てている子どもについて、三田市の制度では2人の子どもとして認められない。子どもを含む家族の関係を証明する「ファミリーシップ制度」など、宣誓者の権利拡大を目指す条例の制定を提案する。同県明石市では21年1月から「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」がスタートしている。

 副市長 ファミリーシップ制度については、限定的ながらパートナーの子どもが家族として認められるなど実質的な効果が期待できると考えるため、阪神間の7市1町の連絡会などを通じて他市とも情報交換をしながら、望ましい制度設計に向けて研究していきたい。権利拡大を目指す条例の制定については、法制度との関係などを慎重に検討する必要があるため、当面は現行制度の検証を行いながら、より当事者の利便性が向上するよう規定の拡充、見直しなどを進めたい。

■「未来塾」SNSで発信を (西本哉太・有馬高1年)

 三田市に対する若者の関心を高め、住みたいと思ってもらう必要がある。三田で遊ぶ場所についてアンケートを行うと、イオンや公園が特に多かった。公園で安心・安全に遊べるよう整備が欠かせない。また、市の子ども向け講座「こうみん未来塾」について45人に聞いたところ、41人が知らないと答えた。市の企画を若者に届けるため、SNS(会員制交流サイト)を活用するべきだ。今はホームページだけでなく、ユーチューブやTikTok(ティックトック)、インスタグラムでも情報を伝えられる。

 市長 市内には有馬富士公園など甲子園球場94個分の公園があり、1人当たりの公園面積は県内トップクラスを誇る。安全・安心に遊ぶことができる公園は、若者が集い、憩うほか、子育て世代にとっても大きな地域の財産。効果的な情報発信については、さらなる充実、強化が必要だ。市は昨年10月から緊急情報やイベント情報などをLINE(ライン)で伝える取り組みを始めた。「こうみん未来塾」もラインで告知している。他のイベントや施策も積極的に発信していくので、友達登録をし、家族や友人にも案内してほしい。

三田三田祥雲館高校
三田の最新
もっと見る
 

天気(9月7日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 20%

  • 37℃
  • ---℃
  • 40%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ