大正12年秋に結社したから「十二秋社(じゅうにしゅうしゃ)」。西暦では1923年のことだった。兵庫県三田市の絵画グループが今年、創立100周年を迎える。戦争、高度経済成長、バブル経済の崩壊、新型コロナウイルス禍…。時代が移り変わっても絵を愛する者たちが集い、自由な気風を受け継ぎながら灯をともし続けてきた。今月18日から記念絵画展を開く。(土井秀人)
関東大震災から1カ月余り後の23年10月4日、十二秋社の第1回展が開かれた。三田における洋画の草分けとされる4人が創立したという。
時代が大正から昭和へ移ると、日本は戦争へ突き進む。会員の中にも軍隊に入り、戦地へ赴く人も出てきた。「戦時中は『こんな時に絵を描いている場合か』という言葉を浴びせられながらも、筆をおかなかったそうです」と現代表の泊弘さん(81)は言う。
画材どころか食料を手に入れるのも困難な時代だったが、数人で何とか年1回ほどの展覧会を続けた。ある会員が京都府舞鶴市の赤れんが倉庫を写生に行った際には、軍事施設だったためスパイと疑われ、憲兵に拘束されたという逸話もある。
終戦後は「有馬郡美術協会」に改名。三田市が誕生した3年後には「三田絵画同好会」、さらに「三田絵画グループ」とたびたび名前を変えたが、82年には原点の「十二秋社」に戻して再出発した。
創立から89年までの66年にわたって会長を務めたのが、酒井巳代治さんだった。93年に88歳で亡くなるまでの生涯を、三田で絵を志す人たちのためにささげた。
◇
「山の色をもうちょっと落としたら。力入りすぎとちゃう?」「面白い描き方してんなぁ」「大胆さがあってええな」
6月初旬、さんだ市民センター(三田市三田町)の一室。月1回ある互評会に15人が集まった。1人ずつ絵を披露すると、他の参加者がかんかんがくがくの議論を繰り広げる。参加者の一人は「古参だけでなく、それぞれが自由に発言する。いい雰囲気があるから、100年も続いているんでしょうね」とほほ笑む。
現在は20~80代の33人が籍を置く。講師に学ぶ絵画教室ではなく、会員の「自己研さんの場」であることが最大の特徴だ。毎月の写生会や互評会のほか、モデルを雇った人物画の研修も開き、コロナ下でも展覧会を続けてきた。
活動は地域に根ざしている。三田市民病院にも1980年から作品を展示するようになり、現在は各病室に1点ずつの計55点が飾られている。公民館のレストランや兵庫県立有馬富士公園パークセンターなどでも展示してきた。
100周年の記念絵画展には100点を超える作品が並び、創立者の酒井さん、橘央さん(故人)の絵も飾る。大正、昭和、平成、令和と時代が変わっても、十二秋社の精神は連綿と引き継がれてきた。泊さんは「互いに励まし合いながら活動してきたのが、長続きした要因ではないか。それぞれの表現を追究した力作を味わってほしい」とする。
記念絵画展は18~24日、さんだ市民センターで。午前10時~午後5時(初日は午後1時から、最終日は午後4時まで)。無料。
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