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県警本部長感謝状を受け取る江藤嘉記さん=東灘署
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県警本部長感謝状を受け取る江藤嘉記さん=東灘署
県警本部長感謝状を受けた江藤嘉記さん=東灘署
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県警本部長感謝状を受けた江藤嘉記さん=東灘署

 東灘区歯科医師会の副会長で、「江藤歯科口腔(こうくう)外科クリニック」(東灘区御影2)を構える歯科医師の江藤嘉記さん(59)が、本年度の兵庫県警本部長感謝状を受けた。県警の「警察歯科医」を受託して16年。区内で発見された身元不明の遺体の検視に携わり、歯の治療痕などから約60人の身元特定に貢献してきた。 

 江藤さんは大阪大歯学部卒で、1998年に地元の東灘区内でクリニックを開業。現在、母校の御影中学校で学校歯科医を務めている。警察歯科医は2006年4月から担い、15年7月には同歯科医会の理事に就いた。

 警察歯科医は、遺体の腐敗や損傷が激しい場合に警察の要請を受け、治療痕とカルテやレントゲンなどの治療歴を照合する「歯牙鑑定」を担う。診察券などの所持品があればDNA型鑑定に比べて特定が早く、身寄りのない人に対しても有効なのが利点という。

 15年に署長感謝状、16年には刑事部長感謝状を受けている江藤さんは、今年も既に、6月に2人の遺体を鑑定し、身元特定につなげた。7月27日に東灘署で感謝状を受け取り、「『ハンカチしか持っていない』という状況のご遺体もあるが、それでもご家族は一刻も早い情報を望んでおられる。火急に駆け付けて結果が分かるように努めてきた」と振り返った。

 一方、近年は歯科医師会に加盟しない歯科医が増えており、江藤さんらが遺体の口腔内の所見を照会しようとしても、医師会経由では生前の治療履歴を網羅できないという課題が出てきた。「いざというとき、カルテなどの資料を迅速かつ的確に集められるよう、効率的なシステムを作る必要がある。デジタル技術を駆使し、時代に合った形を探求していく」と意欲を見せた。

 本年度の県警本部長感謝状は25人に贈られ、うち警察歯科医は江藤さんを含めて2人。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各警察署で賞状が手渡された。(井上太郎)

→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

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