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出土した円筒埴輪(神戸市提供)
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出土した円筒埴輪(神戸市提供)

 神戸市は、同市東灘区の住吉宮町遺跡で新たに5世紀後半~6世紀後半の古墳7基が見つかったと発表した。洪水で埋まったものとみられ、古い墓を壊さずに次の墓を造るなど古墳が計画的に整備されていた状況がうかがえる貴重な史料だという。市は30日に発掘調査現場を一般公開し、担当職員による現地説明会を開く。(貝原加奈) 

 市によると、同遺跡は1985年、マンション建設に伴う発掘調査で発見。これまでの調査で、弥生時代の集落や飛鳥~奈良、鎌倉時代の遺物などが見つかっており、古墳時代中期から後期の古墳も100基近く確認された。 

 今回新たに古墳群が見つかったのは、広さ約650平方メートルの旧住吉幼稚園跡地の一角。だんじり会館などの建設計画に伴い今年4月に調査を始めた。調査は年末まで続く予定。

 7基のうち最も大きい古墳は6世紀前半に築かれたとみられる1辺16メートルの2段造りの方墳2基で、周囲に石が並ぶ。さいなどで使うはにわや、故人を安置する空間も確認した。

 最大の特徴は、以前の古墳を壊さずに整地し、その整地面を利用して次の古墳を造るなど、先代と後代の墓が重複しないよう工夫した形跡が残る点だという。

 同市文化財保護審議会長で、大阪府立弥生文化博物館名誉館長の黒崎直さんは「同族系譜の意識が垣間見えて面白い」と説明。さらに、未完成のまま洪水で埋まったとみられる古墳もあり、「造る過程を把握できる貴重な調査結果だ」と意義を語る。

 現地説明会は30日午後1時半から。同市担当者は「ぜひ足を運んで、当時の景観を思い巡らせてほしい」と呼びかけている。雨天中止。無料。神戸市文化財課TEL078・322・5799(説明会当日はTEL090・5051・3054へ)

「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

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