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北側から見た小路踏切。今年7月に立ち往生したトラックは、4本のレールのうち北側から2本目のレールの溝にリアバンパーが引っ掛ったという=神戸市東灘区本山北町
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北側から見た小路踏切。今年7月に立ち往生したトラックは、4本のレールのうち北側から2本目のレールの溝にリアバンパーが引っ掛ったという=神戸市東灘区本山北町
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 阪急岡本駅(神戸市東灘区)の東側にある踏切で、トラックが立ち往生するトラブルが絶えない。踏切の先が急勾配の坂になっているためで、昨年だけで2件発生した。この事態を受けて神戸市がトラックのドライバー向けに注意喚起の電柱幕を掲示したが、今年7月10日にもトラックが立ち往生した。 

 ■「通行困難」

 踏切は阪急岡本駅の東約500メートル、本山北町公園前に位置する「小路踏切」(神戸市東灘区本山北町)。閑静な住宅街の中、山側に向かって上り坂になった狭い道路の途中にある。

 昨年4月と10月にいずれもトラックが立ち往生し、電車の運行に影響した。阪急電鉄によると、2件とも、山側に抜けていくトラックの同じ部品が線路の溝に引っ掛かったことで動けなくなったのだという。

 踏切を挟んで山側の傾斜は16%あり、海側の6%に比べて急勾配になっている。そのため、山側へ踏切を通り抜ける際、床が低い車は後部が地面にすれ、溝に引っ掛かりやすいという。

 これを受け、道路管理者である神戸市東部建設事務所が昨年12月、踏切の前と、この道路へ入る交差点の電柱に「この先 低床貨物車通行困難」の電柱幕を掲示した。 

 ■共通点は

 これで解決、と思いきや、今年7月10日、日曜日の正午ごろに2トントラックが立ち往生した。障害物検知装置が作動し、新開地-大阪梅田間で上下線がおよそ1時間運転を見合わた。計78本が遅延、運休。約2万3千人に影響した。

 阪急電鉄によると、今回の原因も昨年の2件と同じ「リアバンパー」だった。

 一般車がトラック後部に潜り込む事故を防ぐリアバンパーは、後ろのナンバープレート下に付いていることが多い。踏切出口の急勾配で車体に角度がついた際、線路の溝にはまってしまったといい、ジャッキアップして車を線路の外に出し、安全確認をするまで約50分かかった。

 ちなみに、踏切の構造は変わっていないが、過去10年では昨年4月以前にこうした事案はなかったという。阪急電鉄広報部は「なぜ最近になって相次いでいるのかは、理由が判然としない」と首をかしげる。

 ■無理かもしれない

 「またか、と思った。あまり驚きもない」と話すのは、近くに住む40代の女性。「要注意だということは、住民はだいたい分かってる。けど、配達とか引っ越しとか、仕事で初めて通る人には分かりにくいんじゃないか」といい、「はっきり規制をかけるとか、これ以上繰り返されないように対策を」と求めた。

 東灘署によると、今回立ち往生したトラックは引っ越し業者。男性ドライバーは「ひょっとして後ろをこするかもしれないな、とは思った」という趣旨の説明をしているといい、同署は過失往来危険容疑で調べている。

 今後の対策について阪急電鉄は「神戸市と協議の上で検討する」としている。(井上太郎)

→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

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