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日本人スタッフと交流しながら七夕の短冊を笹に付けるパリナさん(手前)=6日、神戸市東灘区魚崎北町4(撮影・坂井萌香)
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日本人スタッフと交流しながら七夕の短冊を笹に付けるパリナさん(手前)=6日、神戸市東灘区魚崎北町4(撮影・坂井萌香)

 ロシアの軍事侵攻が続くウクライナから神戸に避難してきた人たちと、地元の住民が交流する七夕祭りが6日、神戸市東灘区魚崎北町4にあるコミュニティーカフェ「はじめのいっぽ」で開かれた。子どもからお年寄りまで男女約20人のウクライナ人が参加し、平和への願いをしたためた短冊をササに飾り付けた。

 カフェを運営するNPO法人ケアット(同区)がこの春、ウクライナからの避難者に食料支援を始めたのがきっかけで企画した。住民や関係機関でつくる相談窓口「うおざきご近助さん」が主催した。地元住民を合わせた計約40人の参加者は星の形に折った色とりどりの短冊に、母語で願い事をつづった。

 「戦争が早く終わりますように」と祈りを込めたのは、マラカ・オレナさん(43)。西部テルノーピリから、娘のパリナさん(15)を連れて4月に来日した。

 女手一つでパリナさんを育ててきたが、テルノーピリで軍事施設が攻撃を受け、空襲警報が繰り返されるようになると、仕事には行けなくなった。

 代わりに始めたのは、緑色の衣類などを持ち寄って「カムフラージュネット」を作るボランティア。ロシア軍の無人航空機(ドローン)や偵察衛星の目を逃れるのに使うもので、暮らしは戦争のまっただ中に追いやられた。

 神戸で暮らす妹を頼り、足の悪い父親(74)も一緒に避難してきた。就職するため、日本語を学び始めたばかりだ。

 言葉の壁だけでなく、中学校の卒業を目前に友達と離れることになったパリナさんのことも心配でしかたない。でも、この日は「夢だった」と、浴衣をまとって笑顔がはじけるパリナさんの姿に、オレナさんもほっとした様子だった。

 「(紙芝居で見た)おりひめとひこぼしのストーリーがすごくすてき」と喜ぶパリナさん。オレナさんは「日本のみなさんの親切な、温かい雰囲気のおかげで、戦争のことを少しばかり忘れることができました」と話していた。(井上太郎)

→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

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