
「ちゃんと読めても…」(撮影・吉田敦史)
10年ほど前のことだが、新幹線の車窓から外を見ていると、名古屋駅のそばでしばしば「クラヤ三星堂」という横書きの立て看板が目に入った。
そのたびに、私はこれを「クラヤミ」と読んでしまうのが常だった。「三」という文字の書体がカタカナの「ミ」と紛らわしいだけでなく、同時に視界に入る「星」の文字が、夜を連想させるためらしい。一度間違えれば次はだいじょうぶだろうと思われるかもしれないが、またぞろ「クラヤミ」と読んでしまうのが不思議だった。誤読だろうが何だろうが一度脳内に連想の道筋ができてしまうと、そこから抜け出すのは難しいようだ。
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