日本随一の繁華街、東京・銀座。その高層ビルの屋上に、水田が広がっていた-。白鶴酒造(神戸市東灘区)は2007年、銀座にある支社の屋上で酒米の栽培を始めた。プランター100基から始まった取り組みは15年を超え、収穫した米で仕込んだ酒の商品化が視野に入るまでに成長した。現在、水田を任されているのは、農業未経験だった女性リーダー。米作りをどう進めるのか。そもそも、なぜ都会のど真ん中で? 「銀座産日本酒」の背景を探った。(末永陽子)
地上約30メートルの屋上にある水田は、名付けて「白鶴銀座天空農園」(約110平方メートル)。5月下旬、社員ら約30人が田植えに取り組んだ。同社が独自に開発した「白鶴錦」約1700株。山田錦に比べ、すっきりした味わいが特徴という。
五月晴れの下、都心のビル群で青々とした苗が風に揺れる。社員は「泥の感触が気持ちいい」「思ったより難しかった」などと言いながら汗を拭った。
■都心の水田
都会で働く社員にも日本酒を身近に感じてほしい。銀座で農園を始めたのにはそんな思いがあった。
だが、訪れた農家が「ここではよう作らん」と語ったというほど、屋上農園での稲作は容易ではなかった。屋上での栽培は重さに制限があり、直射日光や強風といった気候条件も一般の稲作とは大きく異なる。
例えば、苗を植えるには、土の深さは約60センチ必要だが、屋上では15センチまでしか土をまけない。栄養が行き渡るよう、雑草や藻の駆除が不可欠だ。防水シートが壊れるため機械や道具は使えず、全て手作業。真夏には水温が40度を超える日も多く、こまめに水を補充し調整する必要があった。
初代リーダーの男性が試行錯誤を重ねて基本的な技術を確立。17年からは入社2年目の男性社員が引き継ぎ品質向上に力を入れた。
■3代目リーダー
約2年前から、3代目リーダーの山田亜由美さん(45)ら8人が活動を引っ張る。総務や営業事務など通常業務をこなしながら、毎日のように稲の長さを測り、色や状態を確認する。
リーダーを打診された時、農業の経験もない山田さんは「どうして私?」と驚いたという。それでも、長年続くプロジェクトを途切れさせたくない、と引き受けた。
以降、天気予報のチェックが日課に。風の強い日はロープやネットを設置して稲が倒れるのを防ぐ。「台風は大敵」で、日照時間や周辺のビルの高さも気にかける。
今の“師匠”は農園の管理を手伝う造園会社の社員たち。少しでも変化があれば電話で相談する。
「大丈夫かなって毎日気になる。まるでわが子」と目を細める。「より日本酒が好きになった」とも。
近くに屋上より高いビルが建設されたため、今年は田植えの時期を例年より3週間ほど早めた。「初めての試みだから不安もある。でも、今年も愛情いっぱい育てたい」と笑顔で語った。
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