事実と異なる申請で介護給付費など計約１千万円を不正受給したとして、神戸市は３０日、同市東灘区の障害福祉サービス事業所「海花（うみはな）」の指定を取り消し、同区の「ＡＬＯＨＡ　ＨＯＵＳＥ」についても６カ月間、新規受け入れを停止するなどの処分を行った。

　市福祉局監査指導部によると、海花は生活介護や就労継続支援を担う事業所、ＡＬＯＨＡ－は障害者が暮らすグループホームで、いずれもＮＰＯ法人「縁（ゆかり）」が運営している。４月末時点で計３４人が利用していた。

　両事業所では支援の中心となる「サービス管理責任者」として配置していた男性２人が、定められた実務経験の年数を満たしていなかった。適格者が不在の期間は介護給付費などが減額されるが、必要な手続きを行っていなかったという。

　市は情報提供を受け、昨年９月に立ち入り調査を実施。書類の確認などを経て不正を裏付けた。昨年１月から今年２月までの間、海花で約７６３万円、ＡＬＯＨＡ－で約２５９万円の不正請求があったと判断し、加算額を加えた計約１４３０万円の返還を求めるという。（井沢泰斗）