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養父市が取り組んでいる下水疫学調査。市内の浄化センターから下水を採水する(同市提供)
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養父市が取り組んでいる下水疫学調査。市内の浄化センターから下水を採水する(同市提供)

 兵庫県は、新型コロナウイルスの流行をいち早く把握するため、ツイッターなどの交流サイト(SNS)に投稿されたつぶやきや、県特設サイトへのアクセス数の分析に試験的に取り組む。下水に含まれるウイルスを検出して分析する実証実験にも着手。それぞれ実際の感染状況との相関関係などを検証する。

 新型コロナの患者数は、法律上の位置付けが5月8日に「5類」へ引き下げられたのに伴い、毎日の全数発表がなくなった。現在は定点医療機関の集計結果が週に1回公表されているが、感染の広がりをリアルタイムで実感するのが難しいとの指摘もある。

 県はこうした課題を踏まえ、情報通信技術(ICT)を活用して流行の前兆をいち早く捉える手法を検討する。SNSでは、フェイスブックやインスタグラムなども対象に関連の投稿を収集。人工知能(AI)で内容を分析し、足元の感染状況と比較する。

 県のサイトではこれまでにも、感染拡大に先駆けてアクセス数が増える傾向があった。例えば直近の「第8波」では、1月4日に県サイトへのアクセス数が最多の2万ページビューを記録し、2日後の6日に県内患者数が1万2210人でピークに達した。今後も分析を継続し、アクセス数の伸びが流行の前兆把握に有効かどうかを精査する。

 下水を使った感染動向の把握は養父市なども取り組んでおり、一定の効果が確認されている。県は7月から半年間、県南東部の武庫川、中央部の加古川の両流域にある県の下水処理場で週3回採水し、ウイルスの量などを分析。雨水や工業用水の影響も受けるため、どのように補正すれば精度が高まるかを検証する。

 県は新型コロナの5類移行に伴うこれらの経費2千万円を含め、総額164億700万円の補正予算案を、6月7日開会の県議会定例会に提出する。光熱費高騰の影響を受ける社会福祉施設や私立学校、医療機関を対象に支援金を支給するための費用なども盛り込んでいる。(田中陽一)

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