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成松郁廣さん
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成松郁廣さん

 兵庫県内の約370社・団体が加盟し、良好な労使関係の維持や人材育成に取り組む県経営者協会(神戸市中央区)のトップに就いた。

 川崎重工業では人事・労務部門を歩み、担当役員も務めたプロフェッショナル。「『あの時はこう考えた』とか、多少の経験がお役に立てば」と控えめに語る。「時代はどんどん変わっている」とも。セクハラやパワハラなど個別の労働関連訴訟が急増する中、「古い知識が多いので皆さんと一緒に勉強していきたい」と、労使関係の安定化に向け身を粉にする構えだ。

 東大法学部から川重に入ったのは1981年。同級生の多くが銀行員や官僚となる中、造船不況で業績の厳しかった同社を選んだ。「山があれば谷もある。これ以上悪くはならないだろう」と読んだが、「谷のほうが多かったかな」と苦笑する。

 神戸工場ではリストラを担当し、本社の課長時代は造船やプラント部門の分社化に関わった。「その後、業績が改善し、再び本体と統合できたのは良かった」。しみじみと語る。

 仕事を離れると、歴史小説家の顔に。週末には古都を歩いて構想を練る。鎌倉時代後期から南北朝時代にこだわるのには訳がある。「今の集落の原型がこの頃にできるなど、現代につながる大事な時代です」

 「徒然草」の兼好法師を描いた1作目に続いて2、3作目を文芸誌の懸賞に応募し、次作も執筆中。創作意欲は衰えない。

 愛媛県今治市出身。妻と神戸市垂水区に暮らす67歳。(記事・高見雄樹、写真・大島光貴)

兵庫県経営者協会
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