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大阪府知事選で再選を果たし、記者会見する吉村洋文知事=10日午後、大阪府庁
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大阪府知事選で再選を果たし、記者会見する吉村洋文知事=10日午後、大阪府庁
統一地方選前半戦の結果を受け、報道陣の取材に受け止めを語る兵庫県の斎藤元彦知事=県庁
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統一地方選前半戦の結果を受け、報道陣の取材に受け止めを語る兵庫県の斎藤元彦知事=県庁
統一地方選前半戦の結果を受け、報道陣の取材に受け止めを語る兵庫県の斎藤元彦知事=県庁
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統一地方選前半戦の結果を受け、報道陣の取材に受け止めを語る兵庫県の斎藤元彦知事=県庁

 統一地方選前半戦は、関西一円の府県議選と政令市議選で日本維新の会の躍進が際立った。兵庫県議会、神戸市議会とも自民党に次ぐ第2会派に躍り出るのは確実で、影響力も強まる。「これほどまで伸びたのはなぜか」。関係者すら首をかしげる党勢の急拡大に、他党は警戒感を募らせ、早くも次期衆院選に向けた駆け引きが始まった。

 「今まで以上にわれわれの意見を聞き、もっと維新らしさを出してほしい」

 9日深夜、神戸市内で会見した兵庫維新の会の片山大介代表は、開票結果を受けて早速、斎藤元彦知事に注文をつけた。

 4年前の県議選で9議席を得た維新は、2021年の知事選で斎藤知事を推薦。20年ぶりのトップ交代を後押ししたが、最大勢力の自民に抑えられ、存在感も成果も出せていなかった。

 今回の統一選で維新は、全国政党化の足がかりとして地方議員の1・5倍増を掲げた。県議選では、初参戦の15選挙区を含む27選挙区に前回の2・5倍となる30人を公認。「共倒れ」の不安をものともせず、尼崎、西宮、姫路の各選挙区には2人ずつ擁立した。

 結果的に強気の姿勢が奏功した。各地で立てた候補者が看板となり、「点が線になって浸透した」と片山代表。吉村洋文共同代表の知名度で付いた党のイメージ拡散につながった。

 実際、大阪に近い神戸・阪神間では三田市を除く全15選挙区で議席を獲得。トップ当選者も続出し、県全体では18選挙区に党の旗を打ち立てた。

 投開票から一夜明けた10日、取材に応じた斎藤知事は維新大勝を歓迎した。「自民とともに県政を支えていただける体制がより大きくなった」。県政の軸足が維新にも乗った瞬間だった。

 攻勢のあおりを受けたのは自民だ。維新と蜜月関係だった安倍・菅政権時代から一転、岸田政権で維新は対抗姿勢を鮮明にする。

 全面対決の様相となった県議選では、自民の公認・推薦候補10人が苦杯をなめた。獲得議席は前回より4少ない34議席にとどまり、過半数には到底及ばない。

 ベテラン県議は、知事選から続く県内外での保守分裂の影響を口にする。「いつまでも『コップの中の争い』を続けていると思われ、有権者に嫌気が差した」。物価高で暮らしに閉塞感が漂う中、自民「1強」のおごりに批判が集まり、維新が変化への期待の受け皿になったのではないか-。

 昨年の参院選は、選挙区、比例とも維新に得票で先行を許した。県議選も候補者1人当たり自民は約1万800票獲得したが、維新は約1万4200票。「このままではとても衆院選を戦えない」。自民県連幹部は焦りを募らせ、分裂した会派の再結集を急ぐ。

 吉村共同代表は10日、公明党の現職議員がいる衆院兵庫2区、8区と大阪府内の4選挙区について「選択肢を示すのが原則だ」とし、候補擁立の可能性に言及した。やり玉に挙がった公明も神経をとがらせる。

 県内の公明関係者は維新の出方をうかがいつつ、言い切る。「けんかを売るつもりはないが、政権与党に挑むなら徹底的に戦う」

 戦いの舞台は、統一選後半の首長選や市町議選に移る。その先の国政選挙を見据えたつばぜり合いが続く。(統一選取材班)

【特集ページ】統一地方選2023

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