「町長の方針に賛成するのが議員だ」「議会が足を引っ張るのはどうか」
兵庫県の北端、新温泉町議会の岡坂遼太(33)は、2021年10月の初当選以降、思いがけない批判にさらされてきた。
地方自治は、首長と議員をそれぞれ選挙で選ぶ「二元代表制」で成り立つ。両者が議論して税金の使い道を決めるが、首長の提案した議案が否決されることは少ない。議会は首長の「追認機関」と見られがちだ。
同町議会も町の施策を後押ししてきたが、6年前、まちを二分する課題が浮上。首長と議会が対立し、今も解決の糸口は見えない。
舞台となったのは、町立の浜坂認定こども園。築約45年で老朽化が進み、対処が必要になった。
議員の多くは、今ある場所が洪水時に浸水する恐れがあるとして、新築移転を求めた。だが、町は「早期避難で安全を確保する」と建物の改修を主張し、議論は平行線をたどった。
東京の大学を卒業後、Uターンした岡坂は、地元で移住相談員などを経験。「行政と住民をつなぎたい」と思い、町議を目指した。当選後は、議員とは何かを問い続けることになる。
昨年10月、同僚議員たちと町民に活動を伝える議会報告会を開いた。こども園を巡る状況の説明になったときだ。「議員はダメだ」。町の方針に賛成する参加者から怒りの声が飛んだ。
町民から批判され、「おかしいものを指摘するのが議会だが、その役割が理解されていない」と痛感した。その一因は議会にもある。「議会自体が役割を十分に説明できていない」
同僚の新人議員3人で、町民に同園の立地について意向を聞き取るなど、住民の声を町政に届ける方法を模索する。「首長と議会が切磋琢磨(せっさたくま)できれば、町民の見方も変わるはず」
◇
首長と議会の関係は「車の両輪」に例えられる。ただ近年、強い首長の存在が、そのバランスを乱す要因にもなっている。
神戸新聞社の県内地方議員アンケートでは、回答者の3人に1人が「首長が議会を軽視していると思うことがある」とした。首長の独断的な振る舞いや、丁寧な説明がないことなどが理由に挙がる。
「圧倒的に対話が足りていなかった」。丹波市議会で1期目の前川進介(45)は、有料ごみ袋を半額にする検討を巡り、市とのあつれきを振り返った。
市指定のごみ袋は、大袋が1枚80円と県内で最も高い。市長の林時彦(68)は半額化を目玉公約に掲げ、初当選したが、議会は半額にするための条例改正案を2度にわたり否決した。
1度目の提案に対し、ごみを抑制する対策が不十分などとして認めなかったが、その約1年後、市は見直すことなく、全く同じ内容で再提案。議論を尽くしたとは言えず、議会が軽視されたとして否決した。
最も大切な住民の思いが置き去りにされている-。そう感じた前川は、市長に「もっと議会と対話をしてほしい」と開かれた場での討論を迫った。だが歩み寄りはなく、実現していない。
「本当に市民のための議論ができているのか」。必要とされる議会の姿を追い、自問が続く。
=敬称略=(統一選取材班)
=第2部おわり=
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