彼女の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の動画は、こんなテロップで始まる。
「選挙にかかったお金」-。軽快な音楽に合わせて彼女が踊り始めると、画面に文字が流れだす。「選挙事務所40万円」「宣伝費100万くらい」…。
投稿者は昨年6月の兵庫県加古川市議選で史上最多の6199票を集め、初当選した橋本南(26)。分かりやすい情報発信を公約にした。
Z世代(1990年代後半以降に生まれた若者世代)は「政治に無関心」とされる。だが、衆院議員秘書の経験もある橋本は「政治家が興味を持てる発信をしていない」と感じていた。まずは身近な地方議会でモデルをつくろうと、選挙に挑戦した。
当選後、交流サイト(SNS)で発信を続ける。ティックトックのフォロワーは約5700人を数える。議員の日常だけでなく、「地方議員の報酬事情」や「25歳女性議員がよく言われる3選」など等身大の実情を動画で投稿してきた。
だが、議会のデジタル化の遅れには危機感を持つ。市は3年前、ネット上で施策について市民から意見を募り、議論できるシステムを全国で初めて構築。議会は近くタブレット端末を導入するが、民意をくみ取る動きは鈍い。ツイッターで議会の現状を指摘すると、年上の議員に「誤解を招く」と削除を求められた。
「表現の不十分さ」を認めて削除後、ツイッターで問いかけた。「政治家にどんな発信をしてほしいですか」。寄せられた反応は応援もあれば、叱咤(しった)もあった。「現状を伝えるだけでなく改善策も提言を」。SNSで市民らと向き合う。
うれしい誤算もあった。週に1度は同世代からこんなメッセージが届く。「私も議員を目指しています」
◇
議員の多くが議会への関心の低さを実感している。
神戸新聞の全地方議員アンケートでは「議会に対する有権者の関心をどう感じるか」と尋ねた。「高い」「ある程度高い」との回答は23・6%だったが、「低い」「あまり高くない」は62・8%に上った。
「議員の活動が見えないと不信感を持つ町民がいる」。兵庫県神河町議会の木村秀幸(36)は住民と議会の距離に焦りを募らせる。
過疎化が進み、町の人口は県内最少の約1万人。議会も定数を段階的に減らし、かつて地区ごとにいた議員は少なくなった。
昨年4月の町議選は定数12に対し立候補者は11人で、初の定数割れ。無投票当選した11人のうち9人が60歳以上という中で、唯一の30代は際立つ存在だった。
月額22万5千円の議員報酬だけでは生活が苦しくなると考え、3年前に清掃会社を起業。業績を軌道に乗せてから立候補した。
若い自分の活動を通じて「町民が知らないことをオープンにして、町政に関心を呼び込みたい」と言う。町民の窓口になろうと、インスタグラムで情報提供を呼びかけた。
町内には見通しが悪く、危険な場所が点在する。カーブミラーの必要性を問いかけると、町民から反応があった。町を説得して設置してもらい、その途中経過もインスタで報告した。
「住民を待つのではなく、こちらから近づいていかないと」。ミラー設置完了後の投稿には、こんなメッセージも添えた。「時間を気にせずダイレクトメッセージしてください。僕1人では無理なので、みんなで町を良くしよ」=敬称略=
(統一選取材班)
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