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スマートフォン全盛の時代にラジオを並べる。阪神・淡路大震災の直後、情報を断たれた被災者が殺到して売り切れた=神戸市中央区元町通2
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スマートフォン全盛の時代にラジオを並べる。阪神・淡路大震災の直後、情報を断たれた被災者が殺到して売り切れた=神戸市中央区元町通2
スマホ全盛の時代、一番目立つショーウインドーにいくつものラジオを置き続ける老舗電器店。地震後、情報を断たれた被災者が買い求め、売り切れた=神戸市中央区元町通2
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スマホ全盛の時代、一番目立つショーウインドーにいくつものラジオを置き続ける老舗電器店。地震後、情報を断たれた被災者が買い求め、売り切れた=神戸市中央区元町通2
ラジオを手に避難所に届けられた新聞をくいいるように読む被災者=1995年1月19日、神戸市中央区野崎通、市立上筒井小学校
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ラジオを手に避難所に届けられた新聞をくいいるように読む被災者=1995年1月19日、神戸市中央区野崎通、市立上筒井小学校

 店の顔であるショーウインドーに何種類ものラジオを並べている。神戸・元町で約100年続く電器店「岸田商店」。量販店でも、ここまでの品ぞろえは珍しい。

 店内には「兵庫県指定ラジオ技術店」の古めかしい看板が残っている。ラジオは創業期から扱う店の原点で、3代目岸田敏郎さん(55)は父で先代の故照雄さんから「必ず店頭に置くように」と言い聞かされた。

 阪神・淡路大震災時、激しい揺れで街は停電した。懐中電灯や乾電池、ラジオを求める人が殺到し、在庫はすぐに尽きた。避難所ではラジオの周りに人が集まり、生活情報に耳を傾ける姿がみられた。

 国産品はなくなり、商品の種類は減る一方という。「災害が起きると注目されるけどその時だけ。でも、父は震災を経験してラジオは役に立つとの思いを強くしたんじゃないかな」

 災害時の情報源確保は、誰にとっても欠かせない。万全か。スマートフォンに頼り切りの暮らしを顧みる。

     ◇

 震災から28年がたつ。被災地に往時をしのばせる風景はいまや少ない。あの時の気配を探した。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

あの時の気配震災28年
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