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山口組総本部への立ち入りを禁じる「標章」=神戸市灘区
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山口組総本部への立ち入りを禁じる「標章」=神戸市灘区
「特定抗争指定」で使用が禁止されている山口組総本部=神戸市灘区
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「特定抗争指定」で使用が禁止されている山口組総本部=神戸市灘区
神戸山口組幹部が射殺された現場を調べる兵庫県警の捜査員ら=2019年11月、兵庫県尼崎市
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神戸山口組幹部が射殺された現場を調べる兵庫県警の捜査員ら=2019年11月、兵庫県尼崎市
銃弾が撃ち込まれた神戸山口組の井上邦雄組長宅を調べる兵庫県警の捜査員ら=2022年6月、神戸市北区
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銃弾が撃ち込まれた神戸山口組の井上邦雄組長宅を調べる兵庫県警の捜査員ら=2022年6月、神戸市北区
「特定抗争指定」で使用が禁止されている山口組総本部=神戸市灘区
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「特定抗争指定」で使用が禁止されている山口組総本部=神戸市灘区

 日本最大の暴力団山口組(神戸市灘区)の分裂抗争を受け、山口組と神戸山口組(同市中央区)が「特定抗争指定暴力団」に指定されてから、7日で丸3年となる。山口組の攻勢で衰退してきた神戸山口組からは、この1年でさらに複数の中心幹部が離脱したとみられ、勢力差は拡大。一方で兵庫県公安委員会は「対立抗争が終結したとは認められない」として、同日から再び指定を3カ月延長する方針だ。

抗争に一定の歯止め

 分裂は2015年8月。山口組の篠田建市(通称・司忍)組長を中心とした執行部の組織運営に反旗を翻した直系組長13人が、神戸山口組を結成した。互いの組員を狙った攻撃や組事務所への襲撃が相次ぎ、19年11月には兵庫県尼崎市の路上で、神戸山口組幹部が自動小銃で射殺される事件も発生した。

 市民に危険が及ぶ可能性が高まり、兵庫県などの公安委員会は20年1月、両組織を特定抗争指定暴力団に指定。組員は「警戒区域」となった市町にある組事務所への立ち入りや、おおむね5人以上での集合などが禁止されるようになった。

 1980年代に4代目山口組組長を巡る争いで多数の死傷者を出した「山一抗争」とは対照的に、活動自体を抑止する特定抗争指定は「抗争の封じ込めに一定の効果があった」(兵庫県警幹部)とされる。昨年12月には、新たに池田組(岡山市)が山口組との対立で特定抗争指定暴力団となり、規制はさらに強まった。

中心幹部が次々と

 ただ、結果的に抗争は長期化し、近年は山口組側の一方的な攻撃が続く。昨年5月には、大阪府豊中市にある神戸山口組副組長の自宅に車が突入。同年6月には神戸市北区で、同組の井上邦雄組長宅に銃弾が撃ち込まれた。

 その後、副組長がトップを務める「宅見組」が離脱し、かつての若頭が率いた「俠友会」(兵庫県淡路市)が兵庫県警へ解散届を提出するなど、中心幹部が相次いで井上組長の下を離れたという。いずれも警察の登録では神戸山口組の傘下団体で、県警は実態を注視する。

 県警などが公表する山口組の構成員数は約4千人(22年3月時点)。それに対し、神戸山口組は約510人(21年末時点)と大きく水があいた状況だ。

 県警幹部は「勢力でいえば大差がついたが、事態は硬直化しており、抗争終結は見通せない。指定はさらに長引くだろう」との見方を示す。

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