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肩から提げられる水コンテナやマット、テントなど防災にも役立つキャンプグッズがそろう=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
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肩から提げられる水コンテナやマット、テントなど防災にも役立つキャンプグッズがそろう=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
スマートフォンの充電もできるランタン=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
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スマートフォンの充電もできるランタン=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
長時間、冷たさを維持できる保冷剤=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
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長時間、冷たさを維持できる保冷剤=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
ハサミやナイフ、ドライバーなどの機能を搭載した「マルチツール」=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店
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ハサミやナイフ、ドライバーなどの機能を搭載した「マルチツール」=大阪市住之江区南港北、ロゴスショップATC店

 「キャンプグッズで災害に備えてみませんか?」-。新型コロナウイルス禍でアウトドア人気が高まった昨今、こんな提案が注目を集めている。キャンプに必要なランタンや、たき火台、寝袋、テントなどは、ライフラインが途絶える災害時にも力を発揮する。阪神・淡路大震災が起きた「1・17」を前に、防災をPRするアウトドアメーカーや専門家らに取材した。

 ホームページで防災を特集しているのは、アウトドアメーカーの「ロゴスコーポレーション」(大阪市)だ。防災グッズに着目するようになったきっかけは、阪神・淡路大震災という。

 「本社がある大阪の南港から、神戸の街を見つめるしかできず、無力感があったと聞いている。アウトドアブランドだからこその防災グッズを生み出そうと考えた」と広報担当の根岸恵莉子さん(30)。緊急持ち出しセットなどを販売してきたが、「防災グッズを買う」のは心理的なハードルが高いとも感じてきた。

 一方で、自社が扱う商品を見渡せば、災害時に役立つものがほとんど。コロナ禍が始まった2020年から「キャンプグッズを買ったら、防災用品としても使える。キャンプという楽しい目的ありきで、もしもに備えてみては?」などの提案を始めた。

 第一に勧めるのは、ランタンだ。暗闇を照らすだけでなく、USBケーブルとスマホをつなげば充電できる商品が増えている。電池や電気が絶たれても、ハンドルを回して蓄電できる商品も。おしゃれなデザインも目立ち、「普段は、間接照明として部屋で使うこともできる。持っていて損はないです」と根岸さん。

 ほかにも、屋外で食材や飲み物を冷やしておく保冷剤やクーラーボックスがあれば、急な停電にも困らない。体育館に避難する場合は、プライベート空間が確保できるテントや、床の固さや冷たさを和らげるマット、寝袋などが非日常の生活の助けになる。

 実際、21年夏に広島市安佐南区などを襲った記録的な大雨では、体育館に各世帯が自主的にテントを持ち込んだ。広島市危機管理室災害予防課によると、新型コロナウイルスの感染防止の観点からも、テントを重宝する傾向があり、同市では避難所用に約840張りを備えているという。

 また、アウトドア用品を扱う「モンベル」(大阪市)もホームページに特集「暮らしの中の防災 アウトドアの知識を生かす」を掲載。災害時の注意点や役立つ商品について、詳しく紹介している。

 21年に発行の「キャンプ×防災のプロが教える 新時代の防災術」(学研プラス)や今年8月の「『サボる』防災で、生きる」(主婦と生活社)などの著書があるアウトドアライフアドバイザー、寒川一さん(59)=神奈川県=にも、おすすめのキャンプグッズを教えてもらった。

 第一は、コンパクトで持ち運びもできるアウトドア用の浄水器。断水などの非常時において、水の確保は必須だが、自治体による応急給水に頼れない場面もあるかもしれない。アウトドア用の浄水器があれば、川の水などを飲料水に変えられるという。

 次はカセットコンロやたき火台など、火を扱うグッズだ。寒川さんが関わっている東京都内の住民グループは、川の水を浄化し、沸騰させ、カップ麺を食べる訓練に取り組んだという。

 ほかには、頭部に着けるヘッドライトやナイフ、マットなどを挙げた。「キャンプは日常でできる避難訓練」と著書にも記している寒川さん。「用具をそろえるだけではなく、それを使う技術と、安全に取り扱うマインドが大事」といい、「ライフラインの限られた環境で過ごすキャンプは、生きる力が身に付くことにもつながる」と話している。

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