母親がかつて着た振り袖を「ママ振り」と呼び、数十年の時を経て、子どもが「成人の日」に合わせた式典で着用するケースが広がりつつある。物価高などを背景にした節約志向も人気に拍車をかけているとみられ、兵庫県内の着物店はこぞって「ママ振り」のプランをPR。小物を使った現代風のアレンジなどを提案する。多くの市町で式典が開かれる8~9日には、母と子の思いが詰まった振り袖が会場を彩りそうだ。
同県尼崎市と宝塚市に店舗がある着物店「利久(りきゅう)」では今年、式典に出席予定の約3割が「ママ振り」のプランを選択した。店では長期間保管されていた振り袖のクリーニング、新成人に合わせた寸法合わせ、小物選びなどをサポートする。
振り袖を巡っては、2018年、レンタルや着付けを手がける業者「はれのひ」(横浜市)が突然営業を停止し、式典出席者が晴れ着を着ることができない問題が発生。レンタルの振り袖に対する不信感が広がったこともあった。
そんな中、世代を超え、着物を大切に受け継ぐ「ママ振り」に注目が集まる。比較的、コストを抑えられることも魅力の一つといい、杉澤達也社長(55)は「店舗や選ぶ着物、小物によって大きな違いがあり、一概には言えない」としつつ、「レンタルは一式で10万~25万円ほどが多いが、ママ振りで一部の小物のみを新調した場合、数万円で収まることもある」と説明する。
「利久」では昨年12月、大阪府立大2年の吉村若奈さん(20)=同県西宮市=が、深い青地に赤色や桃色の花が華やかな着物に袖を通していた。
それは、約30年前に母幸子さん(52)が両親から贈られた振り袖。大切な一枚だが、振り袖は結婚前に着る正装とされるため、幸子さんが着用したのは成人式と兄の結婚式の2回のみという。
若奈さんが成人の式典について考え始めた一昨年、幸子さんが「振り袖、あるよ」と和だんすから出してきた。
濃い色が特徴的で、最初は「私に似合うかな」と不安だったという若奈さんだが、羽織ってみると印象が変わった。松竹梅などの縁起物がちりばめられ、「上品で大人っぽい」と気に入ったという。
幸子さんが「利久」に相談し、振り袖を持ち込んで、半襟や帯、帯締めなどの小物を選ぶことになった。
杉澤社長によると、年月を重ねた振り袖を「古くさい」と感じてしまう若者もいるといい、着物店の腕の見せどころが「小物でのアレンジ」だ。
若奈さんは幸子さんとスタッフと一緒に、スパンコールがきらりと光る黄色と桃色の重ね襟を選択。帯は、金色に色とりどりの花々が鮮やかなものに決めた。全ての小物がそろい、試着した際、幸子さんは「着物が生き返った」と感じたという。
幸子さんは晴れ着姿の若奈さんを撮影。着物に関わる仕事をしていたという母親に、写真を送った。その後、母親は亡くなったが「母が私に贈った振り袖を、孫が成長してきれいに着ている姿を見せられて良かったと感じています」と幸子さん。
3世代をつなぐ振り袖を着て、式典に出席する若奈さんは「この振り袖を次の世代につなげられるか分からないけど、式典後も大事に取っておきたい」と笑顔で話していた。
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