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閉会式を終え、同郷の選手らをねぎらう主務の豊田桃華さん=3日午後、東京都千代田区
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閉会式を終え、同郷の選手らをねぎらう主務の豊田桃華さん=3日午後、東京都千代田区

 2、3日にあった第99回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)で、55年ぶりに出場した立教大学。裏方として支えたのが、兵庫県立神戸高校出身で主務の4年豊田桃華さん(22)だ。自身に陸上経験はなく、出場校のうち女性の主務も唯一。大役を終え「55年分の人たちの思いを背負い、走った選手たちのたすきがつながって良かった」と息をついた。

 過去27度の出場歴がある立教大は、1968年を最後に本選から遠ざかっていた。2018年末、中央大で活躍した上野裕一郎監督が就き、強化が始まった。

 豊田さんは、神戸市内の小中学校から神戸高を経て19年に立教大に入学。高校時代の野球部に続いてマネジャーになろうと、運動部を探していたところ、勧誘されて陸上部男子駅伝チームへ。陸上の知識は乏しく「距離やペースもわかっていなかった」。その中で2年秋からは裏方をまとめる主務に就いた。

 業務は練習の準備や選手の記録管理、スケジュール調整、他大学とのやりとりと多岐にわたる。部内スタッフは少人数で、上野監督自身の負担が大きい分「頼まれたことは素早く、期待以上にしようと積み重ねてきた」と言う。

 また男子選手寮に入れず、日常生活は別になる。3年岸本健太郎選手(須磨学園高出)は「体力的にも大変で苦しいはずが、いつも一生懸命で皆にまんべんなく話しかけるので接しやすく、部内をいい雰囲気にしてもらった」と感謝する。

 豊田さんとともにチームも成長し、箱根駅伝は夢から目標へと変わった。昨年10月の予選会は1年国安広人選手(同)が個人21位に入ったのをはじめ、上位10選手の合計タイムで6位となり本選の出場権を獲得。立教大の名前が呼ばれた瞬間、感極まって涙があふれた。大学が掲げた目標より1年早く出場を決め、「まさか私が在学中に箱根に行けるとは思わなかった。OBと部員63人がつくりあげた結果で、連れてきてくれた皆にありがとうと言いたい」と語った。

 2、3日の箱根駅伝には、紫地に「R」の頭文字をあしらったユニホームの選手たちが駆け抜けた。豊田さんは2日間、上野監督と運営管理車に同乗。選手の力走を見守り「とにかく無事にゴールしてほしい」と願っていた。

 結果は、往路の最下位から二つ順位を上げて総合18位。「悔しい部分もあるが、これが実力」と語った。

 4年間を通じ、駅伝への印象は変わった。「走っているときは1人でも、そこまでに同じ仲間と切磋琢磨し、裏にはいろんな支えがあると知った」。1学年下の同部マネジャーで妹の彩華さん(21)を含め、後輩たちに向け「これからもどんどん強くなるチーム。それに応じて変わり、成長し続けないといけない」とエールを送った。

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