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M-1グランプリのファイナリストに残った「男性ブランコ」の平井まさあきさん(右)と浦井のりひろさん(吉本興業提供)
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M-1グランプリのファイナリストに残った「男性ブランコ」の平井まさあきさん(右)と浦井のりひろさん(吉本興業提供)
オンライン取材を受ける男性ブランコの2人
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オンライン取材を受ける男性ブランコの2人

 今年の漫才頂上決戦「M-1グランプリ2022」は、毒舌ネタを披露した「ウエストランド」の優勝で幕を閉じた。史上最多7261組がエントリーし、テレビで生中継された決勝の大舞台に立てた「ファイナリスト」はわずか10組。その中に、唯一の兵庫県出身者がいた。「男性ブランコ」のボケ役、平井まさあきさん(35)だ。豊岡市で生まれ育ち、大学時代に出会った相方の浦井のりひろさん(35)=京都市出身=と技を磨き上げ、多くのお笑い芸人が目指す一大関門に到達した。

■奇抜な発想のネタ、温厚な語り口とのギャップ

 18日に東京・六本木のテレビ朝日であった最終決戦は「音符運び」のネタで臨んだ。巨大な音符があるかのように演じ、音楽家に届けるという設定。形状に応じて平井さんが担ぐ方法を工夫するが、重すぎてバランスを崩した拍子に音符が浦井さんをなぎ倒す。

 奇抜な発想のネタを温厚な語り口で繰り広げるギャップが、笑いを引き起こした。オンラインで取材に応じた平井さんは「緊張したけど、終わってみると楽しかった。どこを見ても金ピカのステージでした」と振り返った。

 1987年に豊岡市の中心市街地で生まれた。芸人を志したのは、学級委員だった小学校の高学年。当時の人気バラエティー番組「めちゃ×2 イケてるッ!」に影響を受けた。ひょうきん者だったといい、「番組のまねごとをして、人生の中でモテたピークでした」と思い出を語る。

 地元豊岡の竹野浜や気比の浜で海水浴に行き、津居山港には祖父と釣りへ。玄武洞公園の山道で捕獲したサワガニを育てたこともあった。「豊岡の自然が好き。高い建物もなく開放的。今でも緑があると安心する」と思いをはせる。拠点を大阪から東京に移し、豊岡を離れて気づく。「豊岡はとんでもなく暑く、寒かった。過酷な気候で育ったためか、がまん強く、忍耐が育まれたように感じる」

■演劇サークルで出会い

 豊岡高を経て滋賀県の大学に進学した。複数の大学でつくる演劇サークルの歓迎祭で浦井さんと出会い、卒業後にコンビを組んだ。ともに吉本興業の養成所NSCに入学。お笑いの道を歩み続けている。

 新型コロナウイルス禍のため、頻繁に帰省できていないといい、「豊岡に帰ったら毎回、長ければ3時間ほど市内を散歩する。懐かしさを感じながらも、まちの変化に気づいたり、無心で歩いたり。帰ったら散歩がしたい」とほほ笑む。

 来年の目標は単独ライブの全国ツアー。「地方都市だとしてもチケットを即完売できる芸人になりたい」と2人は声をそろえる。平井さんは「豊岡は今、演劇に力を入れてるんですよね」といい、芸術文化観光専門職大学や、来春に再開が予定される映画館の豊岡劇場、豊岡市民会館などでの凱旋公演にも意欲を見せた。

 オンラインでのコントライブ「トワイライト水族館」が、公式オンライン配信サービス「ファニー オンライン チケット」で販売されている。来年1月9日まで。2400円。

 豊岡市出身のお笑い芸人はほかに、「日本エレキテル連合」の橋本小雪さんや、ミラクルひかるさんらがいる。

■近所もざわついて

 平井まさあきさんの母(67)=豊岡市=の話 お笑いが好きで、小学校の発表会ではコントをやっていた。M-1の決勝に残ったと聞いて驚き、近所もざわついていた。いざ始まると心配で、他の人のネタは笑っていたけれど、2人のネタは会場の声さえ耳に入らなかったぐらい。でも、だんだんと音符が見えてきた。浦井さんに静かに突き刺していて。「なんだこれは」って笑いがこみ上げていました。

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