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インタビューに応じる泉房穂明石市長=明石市中崎1、明石市役所
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インタビューに応じる泉房穂明石市長=明石市中崎1、明石市役所

 地方自治体の首長と議員は、ともに選挙を通じて有権者から選ばれる。いずれも民意を反映していることから「二元代表制」と呼ばれ、意見が異なれば議論を重ねて着地点を見いだすのが本来の姿だ。しかし、兵庫県の明石市政では互いに対立を深めている。泉房穂市長に主張を聞いた。(統一選取材班)

 -子育て支援に注力する狙いは。

 「子どもと障害者に優しいまちをつくる-というのが政治を志した原点。それを明石から全国に広げたい。もう一つの観点は自治体経営。子どもに光を当てれば地域経済が活性化し、市の財政が健全化するのは分かっていた。経済の好循環をつくる自信はあった」

 -周辺から人口を奪っているという指摘もある。

 「子どもを産みたいのに、お金や環境を理由にためらう社会はどうか。子どもを産みたい人が産める社会をつくるのは政治の責任。その結果、明石に人口が増えるのは止めようがなく、他から人口を奪いたいとは思っていない。最近は周辺も同様の政策を取り入れているし、そもそも国がやるべきことだと思う」

 -ツイッターでの情報発信も積極的だが、一部の人をブロックしている。

 「基本的には、事実に基づかないことを私のリプライ(返信)欄で拡散する人をブロックの対象としている。延べで100人程度。ただし1回のリプライだけでブロックすることはなく、それまでの流れを見て確信犯的と判断した場合だけだ。政策的な批判ではブロックしていない」

 -昨年夏の全市民への5千円券配布事業を巡り、市議会が経費削減に向けて継続審査としたが、専決処分で実施した。

 「(市会最大会派の)自民党との事前調整を終えた上で議案を出したが、急転直下、継続となった。経費削減が理由なら事前調整の段階から言うべきで、後付けの理由だ。あの時は、溺れかけている市民や事業者を助けるためにスピード感を優先した。間違っているのは議会。議会が議決しない場合は市長が専決処分できる、と地方自治法でも定められている」

 -首長も地方議員も有権者に選ばれている。泉市長にとって望ましい二元代表制とは。

 「市長は1人だが、明石の場合、市議は30人(現在は欠員1)。多様な民意を反映しており、市長が気付けなかったことを気付かせてくれるのはありがたい。例えば人口増が始まった頃、待機児童対策の必要性を指摘されて対策室を設けた。議会が市長のやることをチェックするのは本来の機能。ただ、それが誰のためかということ。両方が市民のことを考えて判断するのが二元代表制だ」

 -次回の市長選で泉市長が推す候補が当選した場合、影響力が残るのでは。

 「院政なんか考えていない。任された距離を走りきり、次のランナーにたすきをつないだ後は(明石市政に)関与しない」

 -引退を惜しむ声もあるが、気持ちに変化は。

 「市民への責任を全うしたいという気持ちは強くなっている。(引退表明の)当初は『お疲れさま』という反応も多かったが、最近は『辞められたら困る』という声が大半。今の市政を継続させるのが自分の責任。(市長選と同時実施の)市議選で市長を支持する候補を当選させ、必ず議会の過半数を確保する」

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