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記者会見する「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」担当者=14日午後、東京都千代田区
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記者会見する「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」担当者=14日午後、東京都千代田区
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記者会見する「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」担当者=14日午後、東京都千代田区

 約60年前に兵庫県尼崎市内で約2カ月間アルバイトとしてアスベスト(石綿)関連の仕事に従事し、悪性胸膜中皮腫を発症した東京都内の男性(79)が今年5月、尼崎労働基準監督署に労災認定されていたことが分かった。発表した中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会(東京)によると、同僚の証言など客観的な記録がない上、認定の要件とされる暴露期間1年以上を大きく下回って認められた「全国初」のケースという。

 男性は1961年6~8月、尼崎市にあった大手機械メーカー「クボタ」の工場敷地内にあった下請け会社でアルバイトとして勤務。ベルトコンベヤーから地面に落ちる石綿を含んだ廃材を集め、一輪車で運んで捨てる作業に当たった。

 しかし、粉じんが多く、これ以上現場にいられないとして退社。その後は石綿に触れることも、吸い込む環境にもなかった。

 約60年たった昨年1月ごろ、息苦しさなどの症状が出始め、悪性胸膜中皮腫と診断された。男性の家族が同会に相談し昨年9月、尼崎労基署に労災補償を請求。厚生労働省の専門家会議の協議を経て認定された。

 アルバイトだった当時の就労記録は全く残っていなかったが、当時の地図を基にした工場内の配置や、男性の具体的な就労証言などが認定につながったとみられる。療養中の男性は「たった2カ月ほどの仕事で恐ろしい病気になるとは思わなかった。人生が大きく変わってしまった」とコメントした。

     ◇

 同会は15、16日の午前10時~午後7時に全国一斉相談を受け付ける。担当者は「短い暴露でも中皮腫になるので、労災認定基準の見直しが必要。思い当たる人は気軽に相談を」と呼びかけている。フリーダイヤル0120・117・554(末永陽子)

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