• 印刷
アッコちゃんが登場する副読本を読み、お母さんの気持ちについて話し合う児童たち=西灘小学校
拡大
アッコちゃんが登場する副読本を読み、お母さんの気持ちについて話し合う児童たち=西灘小学校

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災で、神戸市立西灘小学校(同市灘区)5年の浅井亜希子さん=当時(11)=が亡くなった。「アッコちゃん」と呼ばれて慕われた少女のこと、そして震災のこと。同小の5年生たちが授業で学んでいく様子を、シリーズ「震災って何?」で報告します。

 阪神・淡路大震災で亡くなった11歳の少女「アッコちゃん」。お母さんである鈴子さん(69)の言葉が、小学生向けの副読本に出てくる。

 「私が亜希子で、亜希子が私なんです」

 11月18日。神戸市立西灘小(灘区)5年1組。担任の中村功児先生(39)が児童に読み聞かせた。

 1995年1月17日。倒壊した自宅で生き埋めになった母娘は「2人でふたつの命を支え合っていました」。アッコちゃんは救出されたが、全身に毒素が回る「クラッシュ症候群」を発症、24日後に亡くなった。

 前回の授業で、どんな少女だったかを学んだ子どもたち。この日は副読本を読み、順に感想を発表した。

 「2人とも生きるために協力し合った」

 「アッコちゃんの心の中にお母さんがいて、お母さんの心の中にアッコちゃんがいた」

 班ごとに、お母さんがアッコちゃんを思う気持ちも話し合った。「生きがい」「ずっと一緒にいたい」「大切だから天使のよう」…。

 安田悠吾君(11)は思った。「苦しい中で頑張ったアッコちゃん。その命をしっかり受け継いでいくというお母さんの強い思いを感じた」

 2組でも同じ授業があった。長谷川雄大先生(24)は最後に言った。

 「これまで伝えていませんでしたが、来週アッコちゃんのお母さんが来て話をしてくれます」

 「ええっ!」。みんながどよめき、互いの顔を見合った。(井川朋宏)

【バックナンバー】
(2)日常 生きてたら、友達になりたい
(1)時計 同じ学校、同い年の子死んじゃった

震災28年U28震災後世代アッコちゃんの授業神戸
もっと見る
 

天気(9月7日)

  • 34℃
  • 27℃
  • 20%

  • 36℃
  • 24℃
  • 40%

  • 35℃
  • 26℃
  • 20%

  • 35℃
  • 25℃
  • 30%

お知らせ