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USBを紛失した事について謝罪する委託業者「BIPROGY」の幹部ら=6月24日、尼崎市役所
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USBを紛失した事について謝罪する委託業者「BIPROGY」の幹部ら=6月24日、尼崎市役所

 兵庫県尼崎市の全市民約46万人分の個人情報を含むUSBメモリーが一時紛失した問題で、情報システム業務を受託したビプロジー社(東京)が設けた第三者委員会は12日、調査報告書を公表した。過去20年以上にわたって市に無断で業務を再委託・再々委託していたという。報告書はコンプライアンス違反が常態化していたとし「事なかれの組織風土や経営層の姿勢に問題があった」と指摘した。

 第三者委は元福岡高検検事長の井上宏弁護士が委員長を務めた。調査では、再委託の事前申請が必要な契約のうち3割で違反があったと明らかにした。

 問題を巡っては、ビ社の再々委託先の社員が、個人情報の入ったUSBを持ったまま居酒屋で飲食し、酔いつぶれて紛失。USBは発見されたが、ビ社が市に無断で再委託などをしていた問題が発覚した。

 報告書によると、ビ社は1970年代頃から尼崎市の基幹業務システムを受注し、2000年頃から市の承認を得ずに再委託・再々委託を続けていた。現場も問題性を把握しながら上層部に報告していなかった。

 こうした対応は尼崎市にとどまらず、事前申請が必要な契約の3割、官公庁の案件を多く扱う部署では約半数に及んでいた。また、今回の問題発覚前にも個人情報入りUSBを紛失する事案が起きながら適切な措置を取らなかったという。

 ビ社は、平岡昭良社長が月額報酬の20%(3カ月)、役員2人が10%(1カ月)を自主返納するとした。

 尼崎市は損害賠償請求を行う方針。松本真市長は「十分に精査した上で、必要な対応をしたい」とコメントした。(広畑千春)

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