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「アッコちゃん」の生い立ちや、家族の思いが詰まった絵本を読む5年生の児童たち=神戸市灘区、西灘小学校
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「アッコちゃん」の生い立ちや、家族の思いが詰まった絵本を読む5年生の児童たち=神戸市灘区、西灘小学校

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災で、神戸市立西灘小学校(同市灘区)5年の浅井亜希子さん=当時(11)=が亡くなった。「アッコちゃん」と呼ばれて慕われた少女のこと、そして震災のこと。同小の5年生たちが授業で学んでいく様子を、シリーズ「震災って何?」で報告します。

 阪神電車の大石駅(神戸市灘区)からほど近い、神戸市立西灘小学校5年2組の教室。11月。子どもたちが阪神・淡路大震災で亡くなった同学年の少女、「アッコちゃん」について学ぼうとしていた。

 担任の長谷川雄大先生(24)が絵本を配った。神戸学院大の大学生たちが、アッコちゃんの母・浅井鈴子さん(69)の協力で作ったものだ。

 5人家族で、兄2人と遊ぶのが大好きだった女の子。出かけるときはいつもお母さんと一緒。なぜかサケの皮が好物で、晩ご飯では父や兄におねだりした。地震前日の月曜は振り替え休日。「明日、友達とドッジボールするねん」。連休明けの登校を楽しみにしていた。

 絵本には、そんな震災前の何げない日常が描かれていた。

 「アッコちゃんって、どんな子?」。子どもたちが読み終えるのを見て、長谷川先生が問いかけた。児童が次々と手を挙げる。

 「お母さんと話すことが好き」「学校が好き」「甘えん坊」「サケの皮が好き」「みんなにほめられる」「毎日、みんなと遊んでた」

 黒板に意見を書き出し、長谷川先生が呼びかけた。

 「分かることは、あなたたちと何も変わらへん、そんな子が地震の影響で亡くなってしまった、ということ」

 この日はそこで授業が終わった。八木洸星君(10)は言った。

 「アッコちゃんが生きていたら、友達になりたいと思った」(上田勇紀)

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