神戸連続児童殺傷事件をはじめ、全国の家庭裁判所で重大少年事件の記録が廃棄された問題は、原因究明を求める声が広がっている。弁護士の藤原精吾さん(81)は、旧優生保護法(1948~96年)による強制不妊手術の被害者救済に際し、手術記録の廃棄に悩まされてきた。今回の問題を受け「国民の財産という視点から、公文書管理の在り方を見つめ直すべき」と求める。
-神戸連続児童殺傷事件の記録廃棄について。
「誰が見ても重要な事件だとわかるのに、廃棄する際、なぜチェック機能が働かなかったのか不思議でならない。個人の弁護士ですら意味のある事件はずっと保管している」
「裁判記録は個人にとっても社会にとっても重要。特に史料的価値のある記録は国民の財産だ。年数がたったからと機械的に廃棄してしまうとは何のための記録保存か。家庭裁判所の使命感の欠如だろう」
-旧優生保護法の下に不妊手術を強制された人々は、記録が廃棄され、不利益を被っている。
「被害者の大半は自分に関する手術記録が失われ、照会すらできない。仮に残っていたとしても、見つからなければ使いようもない。資料なしには裁判を起こすことも困難だ。自分が当事者だと知らず、救済法に基づく一時金の支給を受けられていない人も多いと思われる」
-救済への調査を進める中で、兵庫県の文書管理に関する問題点も露見した。
「裁判を起こすため兵庫県に当時の資料調査を求めた際、当初は『見つからない』との回答だった。ところが弁護団が県政資料館を調べたら、24人分の手術に関する記録がすぐに出てきた」
-公文書管理はどうあるべきか。
「単に保存するだけでなく、利用できる形を探るという観点も重要だ。米国では一定の年月がたてば外交機密文書でも公開されるが、日本では公文書管理は国民のためになされていないというのが実情だろう」
「少年事件の記録に関しても、被害者や遺族による閲覧にさえ制限がある。管理ばかり強化され、自分の個人情報も見られないというのはおかしなこと。公文書管理は組織の都合に基づいて行われるのではなく、国民のためのものであるという意識が必要だ」(聞き手・小尾絵生)
【旧優生保護法】「不良な子孫の出生を防止する」との目的で1948年に制定された。知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に、本人の同意がなくても不妊手術や人工妊娠中絶手術を認めた。96年に障害者差別に当たる条文が削除され母体保護法に改正されるまで続き、国の統計に残るだけでも、不妊手術を受けさせられた障害者らは約2万5千人に上る。2019年には被害者に一時金320万円を支給する救済法が成立した。一方で18年以降、兵庫県を含む各地で国家賠償請求訴訟が起こされている。
【ふじわら・せいご】1941年、神戸市生まれ。67年から弁護士として活動を始め、日本弁護士連合会副会長などを歴任。原爆症認定集団訴訟、障害年金裁判などを手がけてきた。2018年から「優生保護法被害兵庫弁護団」団長。
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