神戸連続児童殺傷事件など、重大少年事件の記録が全国の家庭裁判所で廃棄されていた問題は、少年事件を長年取材してきたジャーナリストの大谷昭宏さん(77)を「とんでもない」と憤らせた。廃棄は事件の被害者、加害者双方に対する「大変な人権侵害」と強調する。
-記録廃棄について。
「公文書の廃棄はどれも許されないが、司法でそれが起こったというのはとんでもない話だ。司法の文書や記録には加害者と被害者、つまり生身の人間の人生が詰まっている。特に少年事件は、加害者自身の責任に加え、なぜそういう人を生み出してしまったのかという問いを社会に投げかける意味を持つ」
「神戸連続児童殺傷事件のほか、奈良医師宅放火殺人事件、長崎の小6女児殺害事件など、社会的影響が大きかった事件の記録が全て廃棄されていた。この国の歴史なのに。将来、少年法の学者が研究しようとしても、なくなってしまっている」
-最高裁は特別保存(永久保存)する記録の基準を設けているが、各家裁の対応にばらつきがあった。
「最高裁というより、各家裁が無神経だと感じる。自分の仕事に薄い思いしか持っていないのか、あまりにも機械的、事務的。廃棄にも罪悪感を感じていないのではないか。何も感じないのは、うっかり廃棄するより恐ろしいことだ」
-少年事件の場合、記録の永久保存は、加害少年の人権侵害にならないか。
「記録を残すことは、逆に加害少年の人権を守ることになると思う。大人に裁きを受けた少年が、将来『自分はどういう心理状態だったのか』など、当時を検証しようとしても、記録がないと振り返ることさえできない。これほどの人権侵害はない。記録廃棄は被害者だけでなく加害少年に対しても大変な人権侵害といえる」
-今後、裁判所はどうすべきか。
「永久保存の基準についてだが、それぞれの事案を一番知っているのは各家裁。例えば各家裁に、保存すべきと考える事案を所長の意見を添えて提出させ、さらに各高裁で検討する。それを元に最高裁が基準を決めるべきだ。また司法文書の場合、全ての記録を電子化するのは難しいところがある。各高裁の管轄区域に保管施設をつくらないといけない」
「既に廃棄してしまった事件の記録については、副本を保管していそうな関係者に頼んで、可能な限り修復に努めるしかない。『申し訳ないけど提供してもらえませんか』と。恥を忍んででも」(聞き手・綱嶋葉名、撮影・坂井萌香)
【おおたに・あきひろ】1945年生まれ。読売新聞大阪本社に入社後、社会部記者として警察を取材。社会部長だった故・黒田清氏配下の「黒田軍団」の一員として活躍し、社会面コラム「窓」欄も担当した。退社後は大阪に個人事務所を設立し、教育、少年事件などの現場に足を運ぶ。
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