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勝利を祈り、PK戦の行方を見守るサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
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勝利を祈り、PK戦の行方を見守るサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
悲願の8強を逃し、頭を抱えるサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
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悲願の8強を逃し、頭を抱えるサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
頰に日の丸シールを貼り、日本代表にエールを送るサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
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頰に日の丸シールを貼り、日本代表にエールを送るサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
ベスト8進出を願い、エールを送るサポーターたち=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
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ベスト8進出を願い、エールを送るサポーターたち=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
8強進出を願い、日本代表の選手にエールを送るサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」
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8強進出を願い、日本代表の選手にエールを送るサポーター=神戸市中央区中山手通1、スポーツバー「DFence」

 サッカー日本代表のワールドカップ(W杯)は、前回準優勝のクロアチアにPK戦で屈して幕を閉じた。目標に掲げた8強以上には届かなかったが、ジャイアントキリング(大番狂わせ)の連続で見る人を沸かせた。采配などを巡り前評判は低かっただけに、サポーターたちは「何度も手のひら返しをして申し訳ない」と苦笑しつつ「勇気と希望をありがとう」と拍手を送る。

■開幕前の逆風

 クロアチア戦の6日未明、神戸・三宮のスポーツバー「DFence(ディーフェンス)」。集まったサポーターたちに、森保ジャパンの大会開幕前の印象を聞くと、奮わない言葉ばかりが並んだ。

 「絶対、無理」「始まる前から終わった」「期待できない」

 幼少期から高校卒業までサッカー部だった会社員の男性(26)=神戸市=は「代表の試合を見ていても、もやもやするばかりだった」と振り返る。友人たちと話していても「明確な戦術が見えず、何がしたいのか分からない」「新しい選手を試さない」などと森保一監督のチームづくりに疑念が拭えなかった。

 W杯に向けたアジア予選や親善試合などの結果はベスト8以上を掲げるには物足りず、サポーターをはじめ国内外のメディアの見方は厳しかった。グループリーグの組み合わせが決まると、さらに期待値は下がった。

 「死の組」。この日集まったサポーターたちの中でも、ドイツとスペインを破り、日本が決勝トーナメントに進む光景を思い描いた人は限られた。

■手のひらくるくる

 そんな日本が4度の優勝を誇るドイツを下し、「無敵艦隊」と名高いスペインを退けた。「正直、決勝トーナメント進出はあきらめていた。良い意味で予想を裏切られました」と、会社員男性(35)=神戸市=は日本の躍進に息をのんだという。

 ただ、コスタリカに敗れた時は、SNSに批判や中傷の言葉があふれ、ミスをした選手は「戦犯」扱いされた。

 「手のひら返しをされるのは勝負の世界なので、勝てば称賛、負ければ批判されるのは当たり前のこと」とコスタリカ戦後、現地で取材に応じた森保監督は受け止めを述べ、そのままスペインを破って1位でグループリーグを抜けた。

 友人3人で来店した関西学院大2年の男性(20)は「ドイツ戦で『おお!いけるやん』とくるり、コスタリカに負けて『やっぱりか…』とくるり、スペインに勝って『まじか!』とくるり。何度も手のひらを返してしまい、ごめんなさいという気持ちです」と苦笑いを浮かべる。

 一方、堺市の自宅で観戦した会社員男性(31)は「W杯前と大会中の戦いっぷりは別人のように違った気がする。世論が手のひら返しのようになってしまう気持ちも分かる」とする。

 プロ野球では熱烈な虎党といい、「阪神ファンやったら、手のひら返すどころか手首取れてますわ」とジョークを飛ばしつつ、「こんなふうに一喜一憂するのもスポーツの楽しみなのかも」と語った。

■8強ならずとも…

 クロアチアとのPK戦の末、敗退した日本。スポーツバーの大型モニターを囲んだサポーターたちは盛大な拍手で選手をたたえ、口々に言った。

 「8強いってほしかったし、いけそうだった」「こんなにアツくなれるとは思っていなかった」「冷ややかだった世論を結果で熱狂させた選手たちはかっこいい」「勇気と希望をありがとう」

 いわゆる「にわかファン」を自称する人たちの心も奮わせた。

 「会社の同僚の盛り上がりに付いていきたい」と観戦に訪れた会社員女性(25)=神戸市=は「ミーハーな私が言うのもあれなんですが」と前置きしつつ、「すごく悔しい。でも、サッカーっておもしろいですね」。会社員男性(28)=同市=は「サッカーが好きになった。感動した」と満足げだった。

 悲願の決勝トーナメント初勝利には一歩及ばなかったけれど、前回準優勝国を相手に最後までせめぎ合った日本。店内に、大会前のような冷めたまなざしを向ける人はもういなかった。(大田将之、千葉翔大)

スポーツワールドカップ22
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