全国の家庭裁判所で重大少年事件の記録が廃棄されていた問題。東京のNPO法人「情報公開クリアリングハウス」理事長の三木由希子さん(49)は公文書管理法が直接適用されない裁判記録の違いを指摘し、適正な保存に向けた仕組みの必要性を指摘する。
-全国で少年事件記録の廃棄が明らかになった。
「特別保存の仕組みがあるにもかかわらず機能していなかった。2019年に民事訴訟の記録廃棄問題が明らかになり、近年は運用が改善されてきたと思うが、過去の記録にさかのぼることはできていないのだろう。事件記録は裁判所内だけでなく社会的なものという認識が薄かったのではないか」
-行政の公文書保存の仕組みは。
「公文書管理法が適用される(国の省庁などの)行政機関であれば、ファイルが作成されてすぐに保存か廃棄が区分される。廃棄対象とされても内閣府が審査するので、各省庁が勝手には廃棄できない」
-行政と違い、裁判所では、特別保存した記録を最高裁に報告する仕組みだ。
「何を残すかだけでなく、廃棄してはいけない文書が廃棄されようとしていないかチェックする仕組みがあった方がいい。特別保存になるような事件は、裁判中に見当が付くことが多いはず。裁判後すぐ特別保存にあたるかどうかを判断し、あたらないとされた文書について再確認する仕組みが望ましい」
-記録の保存運用は最高裁の規程や通達に基づいているが、公文書管理法のような法整備は必要か。
「法律で定めればすべてうまくいく訳ではないが、特別保存を法律上の義務にはした方がいい。順守するためのルール整備が進み過去の事件記録にも遡及させやすくなる可能性はある」
-少年事件の場合は記録の公開や利用が難しい面もある。
「記録の保存と利用をセットで考えすぎない方がいい。政府の説明責任は徹底されなければならないので、秘密指定されて100年は表に出ない行政文書でも残すことになっている」
「裁判所にも社会への責任がある。審判の結果だけでなく、社会構造がもたらした少年への影響など裁判所が知り得たことは社会への責任として残すべきだ。また、被害者は処分確定から3年以内は事件記録を閲覧できるが、つらくて見ることができない人も多いだろう。特別保存になった事件に関しては、冷静に振り返ることができるタイミングで閲覧できるようにしてもいいはずだ」
「そうした利用や公開の議論ができるのは、記録が残っているからこそ。今を生きる私たちが利用できるかという価値判断だけで考えてはいけない。次の世代も含めて引き継ぎ、意味があるものになれば良い。保存を求めるというのは未来に可能性を残すこと、未来に向けて責任を果たすことだと考えてほしい」(聞き手・高田康夫)
【みき・ゆきこ】1972年生まれ。大学在学中から情報公開法を求める市民運動にかかわる。情報公開などに関する調査研究・政策提案、市民の制度利用サポート、行政・議員に対する政策立案への協力などをしている。2011年5月からNPO理事長。
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