1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件など、重大少年事件の記録が全国の家裁で廃棄されていた問題で、日本弁護士連合会(東京)の芳野直子副会長らが神戸新聞の取材に応じた。裁判記録の保存の在り方を検証する最高裁の有識者委員会は28日、第2回会合を開いた。法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)の一角である弁護士は、廃棄問題をどう見るか。芳野副会長は「記録を残すのは何のためか。その点をまずしっかり議論してほしい」と話す。
重大少年事件の記録廃棄が各地で発覚し、日弁連は今月2日、会長名で適正な保存を求める声明を出した。声明を作成した日弁連情報問題対策委員会を担当する芳野副会長と、同委員会で特別保存(永久保存)を専門とする清水勉弁護士が、ともに個人の見解として質問に答えた。
■やはりそうか
少年事件の記録廃棄が次々と明らかとなり、清水弁護士は「まさかと思うと同時に、やはりそうか、とも感じた」と話す。「やはり」というのは、立ち直りを重視する少年法には、記録を長く残さない方がよいとする考えも入っていると解釈できるからだという。
一方、芳野副会長は、弁護士会の中でも賛否があると指摘。「(成人と比べて立ち直る柔軟性が高い)可塑性のある子どもの個人情報は一定期間で廃棄すべきとの考え方と、歴史的資料として保存すべきとの考え方のせめぎ合いがある」と打ち明ける。
少年事件の加害者にも被害者にもつく立場の弁護士は、どちらを重視するかの判断は容易でないとした上で、「保存の対象とする線をどこに引くのか。基準が裁判所内であいまいだったのだろう」と推察した。
■長期的な視点
「裁判所は事件を裁く役割があるが、判決や少年審判の決定が積み重なって、歴史をつくっていることも意識しなければならない」。芳野副会長は廃棄の背景に、長期的な視点の欠如があるとみる。そのためにも最高裁の議論には法曹関係の有識者委員3人だけでなく、さまざまな立場の声を採り入れるべきと訴える。
清水弁護士は、全記録を失った神戸連続児童殺傷事件について、「なぜ事件が起きたのか、検証を何回してもよかったはず。記録を使って後に検証するという発想が、実務家である裁判官には薄い」と悔やんだ。さらに「被害者は、誰にも知られたくない思いを記した記録を裁判所に託したのに、捨てられてしまったと感じたのではないか」と廃棄がもたらす心の痛みに思いを寄せた。
■時代の転換期
最高裁は新たな記録保存の方向性が出るまで、全国の裁判所に全ての事件記録の廃棄を一時停止するよう指示した。抜本的な見直しを期待する声がある中、芳野副会長は、司法の世界にも寄せる電子化の波に着目する。「保存方法が全く違う段階に入りつつあり、この時期に廃棄問題が議論されるのは好機だ」とする。ただ、時代の転換期を生かせるかは、事件記録を「われわれの宝」と捉える国民の意識次第と強調する。
「有識者委ではまず、司法として、何のために事件記録を残していくのかという哲学を、しっかり話し合ってほしい」。芳野副会長は、運用以前に、まず根底にある記録保存の意義を再度確かめるよう求めている。(霍見真一郎)
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