安倍晋三元首相の国葬が終わった。首相経験者では吉田茂氏以来55年ぶりの戦後2例目で、開催基準を巡って批判も渦巻いたことをどう見るか。歴史社会学が専門の山本昭宏・神戸市外国語大准教授(38)に聞いた。(井上太郎)
吉田氏の国葬が行われたのは1967年。首相退任後13年が経過していた一方、逝去からはわずか11日後だったのに対し、安倍氏の国葬は退任の2年後と期間が短い半面、凶弾に倒れてからは81日がたっている。
吉田氏の国葬を巡っても当時批判の声はあったが、今回ほどではなかった。アベノミクス、安全保障政策、森友・加計学園問題、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係など、政治家としての評価が十分に定まっていないことが反対意見の根底にある。
閣議決定によったプロセスは結果的に拙速だったと言わざるを得ない。岸田文雄首相の説明が最後まで曖昧で、自民党内の支持を固めたいという意図、国葬の政治利用に対する一種の拒否感はあっただろう。旧統一教会問題の広がりに加えて円安、物価高、自然災害といった暮らしに直結する課題が噴出するにつれ、全額国費で行う国葬にも厳しい目が向けられていった。
故人を悼む場としては7月に既に葬儀が営まれていること、弔問外交も開催理由に挙げられたことを踏まえると感情論とは切り離すべきで、国葬とは何かという議論と、理解を深める努力が不可欠だった。
当日、国内外からの参列者は4183人。佐藤栄作氏の時は内閣と自民党、国民有志による「国民葬」だったが、同じ東京・日本武道館で約6400人が参列した。中曽根康弘氏らと同じ内閣・自民党合同葬の形式ではいけない理由はあったのか。盛大に送りたい人たちにとっても、国葬でない方が心置きなく弔意を示せた可能性はないのか。今後のためにきちんと検証する必要がある。
一定の対立点があることは決して悪いことではない。行政権とは、民主主義とは、国家とは何か。皮肉な言い方だが、国民一人一人が賛否からもう一歩踏み込んで考える契機になったのならば、国葬の意義はあったのかもしれない。
【やまもと・あきひろ】1984年奈良県生まれ。京都大大学院博士課程修了。専門はメディア文化史、歴史社会学。著書に「戦後民主主義」「大江健三郎とその時代」など。
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