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神戸を舞台に沖縄戦の悲劇を描くミュージカル「てだのふあ」の一場面(イッツフォーリーズ提供)
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神戸を舞台に沖縄戦の悲劇を描くミュージカル「てだのふあ」の一場面(イッツフォーリーズ提供)
ミュージカル「てだのふあ」で主演の一人を務める大村響叶さん(右)。母が神戸市出身(イッツフォーリーズ提供)
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ミュージカル「てだのふあ」で主演の一人を務める大村響叶さん(右)。母が神戸市出身(イッツフォーリーズ提供)

 東京を拠点とする劇団「イッツフォーリーズ」が24、25日、神戸市兵庫区出身の作家、灰谷健次郎さんの児童文学「太陽の子」をミュージカル化した「てだのふあ」を神戸文化ホール(神戸市中央区)で上演する。沖縄返還から50年を迎えた今年、3年ぶりに再演を決めた。神戸公演は初めてで、1975年の神戸を舞台に小学生ふうちゃんの目を通して沖縄を描く。(末永陽子)

 主人公は元気で明るい小学6年のふうちゃん。沖縄出身の両親は神戸・新開地で沖縄料理店「てだのふあ おきなわ亭」を営む。沖縄言葉「てだのふあ」は「太陽の子」を意味する。

 沖縄戦が原因で心の病を患った父親、沖縄戦で片腕を失ったロクさん、沖縄出身の姉を自死で失った少年キヨシ…。ふうちゃんは常連客らとの触れ合いを通じ、彼らが抱える心の傷や直面する差別問題などに目を向けていく。

 ラサール石井さんが脚本と作詞、鵜山仁さんが演出をそれぞれ担当。劇中歌として使う「ここはどこだ」は永六輔さんが作詞し、劇団創設者のいずみたくさんが作曲した。「流された血を/美しい波が洗っても/僕達の島は/それを忘れない」。沖縄の痛みを切々と歌い上げる。

 兵庫県加古川市生まれのまいど豊さんは、沖縄の人と文化が好きな神戸市出身の「ギンちゃん」を演じる。「神戸はいろいろな人が集まる町。そこで沖縄の人が力強く生活している。背景にある歴史や戦争、基地問題などを考えるきっかけになれば」とコメント。

 同劇団の土屋友紀子プロデューサーは沖縄を「日本に見放されてきた時間を過ごしてきた人々」とし、「長い長い戦いの中にある沖縄を少しずつ感じ取り、共有してほしい」と呼びかけている。

 神戸公演については、24日は午後6時半、25日は同1時半開演。神戸演劇鑑賞会による主催で、入会金千円(最低6カ月継続)、月会費一般3500円(2カ月前納)が必要。同会TEL078・381・8244

文化沖縄復帰50年
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