戦争を体験した世代の高齢化が進み、記憶の継承が課題となる中、戦没者遺族でつくる兵庫県遺族会(神戸市中央区)の会長に、祖父がフィリピンで戦病死した北浦基広さん(54)=同県姫路市=が就任した。日本遺族会(東京都)によると、全国47都道府県の遺族会で戦没者の孫に当たる世代の会長は初めて。北浦さんは「ひ孫世代、さらに次の世代へ、平和への思いを引き継ぎたい」と力を込める。
全国の遺族会が高齢化に直面し、日本遺族会によると、各都道府県の総会員数は1967(昭和42)年は記録がある中で最多の約125万世帯だったが、2019年は半数以下の約57万世帯まで減少したという。同会は「戦没者の遺児の平均年齢は80歳」とする。
兵庫県遺族会の会員は19年時点で約2万世帯としていたが、担当者は「今はさらに減っている」と話す。
姫路市で作業用品製造会社を営む北浦さんは6月、会長に就いた。父も遺族会で活動し、県遺族会が次世代への継承を目指して16年に発足させた「青年部」の部長を務めてきた。前会長は80代半ばだったため、会長交代はおよそ30歳差でのバトンタッチとなった。
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北浦さんの祖父の善之さんは、1945(昭和20)年6月15日、激戦地のフィリピン・ルソン島で戦病死した。23歳だった。祖母と幼い父が残され、祖母は親戚に子どもを預けて西脇市の織物工場で働くなど、戦後、苦労を重ねたという。
北浦さんは写真の中の祖父しか知らなかったが、2020年に戦没者の足跡を巡る青年部の活動でルソン島を訪れ、「こんなジャングルの中で…」と胸が詰まった。「地獄に近い状態の中、『生きて帰りたい』という気力だけで戦っていたんだ」と感じた。
今回、全国に先駆けて孫世代の会長になった。「リアルな戦争体験はなくても、二度と戦没者を出さないという思いは共有している。次の世代へのつなぎ目となるべく、責任を果たしたい」とし、慰霊祭の継続や碑の管理、戦争体験の語り継ぎなど、高齢化で岐路に立つ遺族会の活動の継続に力を入れる。
体験者による語り部活動の動画や文章のデータベース化にも取り組みたいといい、北浦さんは「同じ思いを持つ仲間を増やしたい」と話す。「終戦の日」の15日には、東京都千代田区の日本武道館で開かれる全国戦没者追悼式に、兵庫県遺族代表の1人として参列する。(中島摩子)
【日本遺族会】太平洋戦争戦没者遺族の全国組織。1947(昭和22)年に日本遺族厚生連盟として創設され、53(同28)年に財団法人として認可され、日本遺族会となった。各都道府県に独立した遺族会があり、日本遺族会の支部としての役割もある。慰霊や遺族の処遇改善、福祉の増進などに取り組む。
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