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参院選候補者の街頭演説に耳を傾ける有権者=7日、神戸市内
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参院選候補者の街頭演説に耳を傾ける有権者=7日、神戸市内

 10日に投開票された参院選では、兵庫県内で改憲勢力の得票率が7割以上になった。全国的にも議席の3分の2以上を維持し、自民党は早期の改憲具体化に意欲を示す。ただ、改憲勢力に投票した有権者全てが憲法改正に前向きなわけではない。どんな政策を期待し、憲法改正をどう思っているのか、県内各地で聞いた。

 県内の比例区の得票数では、改憲に前向きとされる自民、公明党、日本維新の会、国民民主党の得票が全数の3分の2を大きく超えて約72%だった。選挙区でも維新、自民、公明の候補者の得票が、全得票数の約73%に達し、3党で全3議席を獲得した。

 飲食店を経営する女性(73)=神戸市中央区=は選挙区は公明、比例区は自民に票を入れた。「仕入れは高くなる一方なのに値段は上げられない。物価高を何とかしてほしい」と思いを込めた。憲法については「結婚の考え方などは時代に合うように改正すればよいが、戦争に向かう改正はやめてほしい」と話す。

 会社経営の50代男性=豊岡市=は選挙区、比例区とも維新に投票。「支持しているのではなく、反自民の受け皿として消去法的に選んだ」といい、経済対策を求める。子どもが今回初めて選挙で票を投じたといい、親子で憲法について話した。「徴兵制や戦争になる可能性があるかもしれない。もちろん、そうなってほしくない。だが、変えようという人が多いなら変えてもいいと思う」とし、「戦争につながるのかを見極めないといけない。どの部分をどう変えるのかを分かりやすく示してほしい」と注文を付けた。

 事務代行会社を経営する女性(33)=姫路市=は、各候補者の同性婚と夫婦別姓への賛否を掲載するウェブサイトを見て、ジェンダー関連の政策に期待して公明の候補者に投票した。改憲については「今の憲法が完璧とは思っていないが、改正は必要ないと考えている。同性婚や夫婦別姓も法改正で対応できるはず。憲法の何をどう変えるのか示してほしい」と話す。

 一方、洲本市の主婦(38)は立憲民主党の候補者に入れた。改憲議論に最も注目していたといい、ウクライナ情勢を見て「自分の子どもが年老いて死ぬまで、戦争のない日本であってほしい」と思いを強くしたという。「日本の未来にとって大切な問題だからこそ、いろいろな意見を取り入れるため、野党にもっとがんばってほしかった」と落胆した。

 尼崎市のNPO法人関係者(61)は、比例区は社民党の候補、選挙区は立民の候補者に投票。「ジェンダー平等を推進し、消費税の見直しを主張している」と理由を語る。憲法は「権力者に好き勝手させないための規制」とし、「誰が変えたがっているのか。急いで変える必要はあるのか」と疑問を呈した。(まとめ・高田康夫)

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