選挙となれば挙党態勢で臨む公明党。その強さは「常勝」といわれ、参院選兵庫選挙区では改選数が3に増えた2016年から2回の選挙で連勝した。ただ、支持母体・創価学会は高齢化で集票力の陰りもささやかれ、今回は従来と異なる戦いを強いられている。
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「誰にも相談できない子どもたちの未来を守り、家族を守ることが政治の責任です」。公明現職の伊藤孝江(54)は公示以降、家族らの介護をしている子ども、いわゆる「ヤングケアラー」の支援について、街頭で熱弁を振るう。
約1年前、参院予算委員会でこの問題を取り上げ、当時の首相菅義偉に対応を迫った。菅は「省庁横断チームで寄り添った支援につなげる」と応じ、国が本腰を入れる契機となった。
ウクライナ情勢を受け、防衛力強化や憲法改正を掲げる政党・政治団体が多い中、伊藤の訴えにその片りんはない。「『平和の党』を旗印にする公明にとって、安全保障や改憲は支持者に響きにくい」と党関係者。女性から多くの支持を受ける伊藤はなおさらで、訴えの中心に身近な暮らしの課題を据える。
防衛費の大幅増などを主張し、保守色を強める「友党」自民。何度も兵庫入りする公明代表山口那津男も、「安定政権の必要性」を訴えるにとどめ、与党で議論はかみ合っていない。
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公明は今回、これまで以上に自民を意識した戦いを余儀なくされている。発端は自民が複数区で公明候補を推薦し、1人区で公明が自民候補を推薦する「相互推薦」の足並みの乱れだ。
前回、兵庫では自民候補が公明候補の得票を下回り、3位となったショックが自民県連内にしこりとして残る。支援を巡る党本部同士の交渉は難航し、一時暗礁に乗り上げた。
学会にパイプを持つ菅が仲介し、従来通りの協力で落ち着いたが、公明は兵庫を「『超』が付く最重点区」とし、危機感を強める。
昨秋の衆院選で獲得した県内比例票は約29万票。今回、当選ラインとされる40万~50万票には届いていない。学会は高齢化に加え、新型コロナウイルス禍での活動となり、ギアを上げても限界がある。
公明の焦りは自民党本部を動かした。地元県議らに「自民の候補だと思って応援してほしい」とライバルを支援するよう指示。歴代首相の安倍晋三や菅が兵庫入りし、首相岸田文雄の応援も予定する。保守層に近づく総力戦が続く。
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「公明党の組織力、情報を吸い上げる力はすごい。各地の接種状況や声を持ってきてもらった」
1日、神戸・三宮。伊藤と並び立った自民党広報本部長河野太郎は、菅内閣でワクチン担当閣僚だった昨年、自公の連携が接種を加速させたと力説した。
昨年の総裁選で岸田に敗れたが、今も好感度は高い河野。引っ張りだこの人気者を呼んだ狙いがあった。公明県議は「交流サイト(SNS)のフォロワーも多く、無党派層への広がりが期待できる」と明かす。
公示後、報道各社が伝えた序盤情勢では、立憲民主党の候補者と3番手を競り合う。トップをうかがう日本維新の会は保守層の切り崩しをさらに強めている。
各党がしのぎを削る物価高対策で、伊藤は与党の実行力をアピールした。「生活者の声を政治に反映させ、形にする」。無党派層も見据えた全方位への訴えは届くのか。
=敬称略=
(参院選取材班)
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