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 近づく参院選で、兵庫県内の労働組合でつくる連合兵庫が岐路を迎えている。兵庫選挙区(改選数3)は立憲民主党の新人を推薦するが、比例代表では国民民主党を支援する組合もあるからだ。旧民主党勢力は2013年参院選から選挙区で3連敗。「官製春闘」で恩恵を受けた組合員の中には自民党支持も広がる。「崖っぷちだというのに…」。決戦を控えても溝の埋まらない立民、国民に連合兵庫の幹部も焦りを募らせる。

 「共に歩んできた方々が多い党。立民候補の支持を広げられるよう(国民側との)対話に努めたい」

 5月29日夕、西宮市内の街頭。立民の立候補予定者と並んでマイクを握った泉健太代表は、兵庫選挙区で候補擁立を見送った国民との関係を報道陣に問われ、連携に期待を示した。

 だが、国民との温度差は大きい。その約2週間前、神戸市内で会見した国民県連代表の向山好一県議は「野党で足を引っ張り合うのが正しいのか」と擁立見送りの理由を説明しつつ、「選挙区は自主投票」と表明。「日本維新の会や公明党の候補を応援する(国民県連所属の)議員がいても『けしからん』とは言えない」とまで踏み込んだ。

 県連幹部は発言の真意を「つまり、立民を全面支援はしないということ」と解説する。向山氏はかねて立民が掲げる原発ゼロや、共産党を含む野党共闘に疑問を唱え、「国民と立民の距離は前よりも広がっている」と周囲に漏らしていた。

 一方、連合側は競合回避に「最悪のケースは免れた」と受け止める。国民が選挙区に擁立するかどうか、「模様眺めをしていた組合もある」と連合兵庫の福永明会長。「(立民候補の)浸透を急ぎたい」とする。

 比例代表にも両党の溝が難題として横たわる。

 中央組織の「連合」傘下には約50の産業別労働組合(産別)があり、今回の比例には各産別の組織内候補として5人が立民、4人が国民から立候補する予定。このため選挙区と比例で支援候補の政党が異なるケースもあるが、さらに複雑な事情を抱える産別もある。

 鉄鋼、造船関連などの組合を中心に構成される「基幹労連」。従来は国民支援だったが、今回は立民から出る。ものづくりが盛んな兵庫にも組合員は多い。

 なぜ立民にくら替えしたのか。「背に腹は代えられない」。同労連の関係者が苦しい胸の内を明かす。

 政権交代した民主党が再び野党となった12年以降、同労連の候補は13、16年の参院比例で落選。前回19年は支援した他産別の候補が14万票超を集めたが、当選ラインには届かなかった。この選挙で国民は3議席にとどまったのに対し、立民は8議席を積み上げた。

 くら替えは、立民の方が当選しやすいとみたためだが、今のところ看板は前面に出さず、候補者のサイトにも立民の文字は見当たらない。

 「あくまで基幹労連の候補者という位置付け。勝たなければ意味がない」と同労連出身の県内地方議員。ただ、立民からの立候補に納得していない組合員の存在も認め、こう指摘した。

 「そもそも立民、国民両にらみという体制に無理がある。連合の在り方を再検討すべき時期が来ている」

(田中陽一)

選挙参院選兵庫22
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